環境地域活動 2025.07.13

163. 小豆島のジオパーク視察

小豆島の中央から南に突き出した半島の西側、皇子神社(おおじじんじゃ)の崖に露出する「マントル直結安山岩」は、日本列島の誕生期にマントルから直接噴出した非常に珍しい岩石です。

地球の深部からやってきたマグマの痕跡に触れることができる、まさに地球の鼓動を感じる場所です。

上からは花崗岩との接触も見られ、白と黒の石が混在する地形は、学術的にもビジュアル的にもインパクト抜群でした。

小豆島のほぼ中央に位置する中山地区では、過去の地滑りで形成された地形を活かした棚田と、地域に根づく「農村歌舞伎」や「虫送り行事」について学びました。

棚田は、農地としての価値だけでなく、文化的景観・無形文化遺産との複合的な価値を持つ場所です。
虫送りなどの年中行事は、年1回開催され、観光客も参加できるようにして行事を「続けること」そのものが、地域の誇りを守ることにつながっているのだと改めて感じました。

小豆島屈指の景勝地「寒霞渓(かんかけい)」は、火山噴出物+溶岩+長年の侵食によって形成された深い渓谷。
安山岩の溶岩が古い地層を守り、その後の地滑りや後退侵食によって谷が形成されたとされます。

加えて、寒霞渓のみに自生する固有種ショウドシマレンギョウといった植物群落も確認され、生態系の多様性の観察地点としても魅力的でした。

江戸時代、細川藩によって大阪城修築用に切り出され、放置された巨大な石材(残石)があることが歴史的証拠となっています。

文化財としての「残す価値」と、農作業との「暮らしの現実」を見れる展示場もあります。

最後に訪れたのは、長浜海岸の土庄層群と蕪崎(かぶらざき)断層。
堆積岩と変成岩(ホルンフェルス)が正断層によって接している様子が露頭で確認できる希少な地点です。

また、黒っぽい亜炭層や植物層が滑り面として機能しており、現在も地滑りが進行している可能性があるとのこと。

地質、地形、防災…すべてが目に見える教材でした。ここは、ぜひ子どもたちとも歩いてみたい場所です。

 

 

小豆島のジオサイトは、単なる「石」や「景観」ではなく、
地球の成り立ち・人の暮らし・地域文化・防災の知恵が重層的に重なり合っています。

ジオパーク認定の有無に関わらず、「見つけて、学び、伝える」価値をどう地域で共有していくか──それが本質だと感じました。今回の研修で得た知見を、今後の政策提案や教育活動、地域振興に活かしていきたいと思います。

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