9月10日の午後は、富山県防災危機管理センターにて、震災対応の取組について学びました。
能登半島地震における実際の対応や、今後の復旧・復興に向けた施策についてお話を伺いました。
・情報集約の課題と新たな仕組み
能登半島地震の際、最大の課題の一つは「市町村から県に被害情報が上がってこない」ことでした。市町村は目の前の対応に追われ、県からの問い合わせに答える余裕がなかったのです。
その教訓から、富山県では今年度からリエゾン(連絡調整員)を各市町村に3名ずつ配置。災害時には現場に張り付き、県に確実に情報を吸い上げる体制を整えています。
また、情報の一元化をめざし、内閣府が今年4月から本格運用を始めた SOBO-WEB(新総合防災情報システム) の活用も進められています。これは国・自治体・関係機関が被害状況や避難所情報を地図上でリアルタイムに共有できる仕組みで、支援調整の迅速化が期待されています。
・被災者支援パッケージと復興ロードマップ
富山県では発災直後から「被災者支援パッケージ」を打ち出し、生活再建に向けた支援を展開しました。
〇知事見舞金や災害復旧資金の貸付
〇住宅修理、私立学校授業料の減免
〇中小企業への特別融資
〇農林水産業への資金支援
〇県税の減免、災害ボランティア受け入れなど
さらに、発災から3か月で「復旧・復興ロードマップ」を策定。
くらしと生活の再建
公共インフラの復旧
地域産業の再生
北陸全体の復興
地域防災力の向上
の5本柱を掲げ、向こう3年間の道筋を示しました。
・宅地液状化・災害廃棄物・公共インフラの課題
今回の地震では、住宅被害の多くが液状化によるものでした。富山県は説明会や宅地液状化防止事業を急ぎ、住民合意を経て事業化を進めています。
また、災害廃棄物は125万トン以上にのぼり、分別・仮置き・リサイクル処理が大きな課題となりました。
公共土木施設も413か所が被災。国・県・市町村が分担して復旧事業を進めています。
・農林水産業と中小企業の再建
農業用水路や漁港施設も被害を受け、順次復旧工事が進められています。被災事業者には金融支援や制度融資も用意され、事業再開に向けた支援が行われています。
中小企業には「なりわい再建支援補助金」が設けられ、設備や店舗修繕の費用を補助。すでに多数の申請があり、審査・交付が進められていました。
・地域防災力の強化
地震を受けて富山県は「ワンチーム」「人づくり」「DX」「民間活力」「官民連携」の5本柱で地域防災力を強化中です。
避難所運営マニュアルの整備、ドローンやAIを活用した被害把握、市町村職員・消防団・ボランティアの人材育成など、香川県でも共通する課題であり、南海トラフ地震への備えに直結する学びでした。
・富山県防災危機管理センターの施設
センター自体は令和4年に供用開始。地上10階建ての免震構造で、整備費約64億円。
災害対策本部室や会議室を備え、複数機関が同じフロアで活動可能、広域応援部隊のスペースを確保。屋上ヘリポートを設置し、72時間以上の機能を保持。映像情報システムも導入され、被災現場の状況を映像で確認しながら意思決定ができる体制となっています。
情報収集体制(リエゾン配置・SOBO-WEB)
被災者支援のスピード感(パッケージ化)
復興ロードマップによる全体像の共有
香川県にとっても参考になる点ばかりで、今後の議会活動の中で具体的に提案していきたいと思います。

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