産業県議会質問 2026.03.12

令和8年2月県議会定例会一般質問2日目 質問4点目 R8,3,12 香川・せとうちnext小泉敦

質問の第4点目は、既存資源を活用したせとうち留学生の住環境支援制度についてです。

 

せとうち留学は、本県が全国に向けて公立高校の門戸を開き、多様な地域から生徒を受け入れる意欲的な取組みであります。県立高校の魅力化を図るとともに、地域に新たな風を吹き込み、将来的な関係人口の創出にもつながる可能性を持つ重要な政策であると認識しております。

とりわけ、小豆島中央高校のような島しょ部の学校においては、全国から志ある若者が集い、地域と関わりながら学ぶこと自体が、島の将来にとって大きな意味を持ちます。生徒同士の交流のみならず、地域住民とのつながりを通じて、地域に愛着を持つ若者が育つことは、本県全体にとっても価値ある財産となるはずです。

 

こうした取組みを持続的に発展させていくためには、教育内容の充実だけでなく、生活環境の整備が不可欠だと考えます。特に、県外から生徒を受け入れる場合、住環境の確保は、入学の前提条件ともいえる重要な要素です。県外からの応募の際、住まいの有無が、受験するかどうかの判断に影響を及ぼすこともあるという話もお聞きしております。高校生が単身でアパート生活を送ることは、保護者にとって大きな不安要素です。生活面での見守りや緊急時の対応など、未成年である生徒の安全確保は極めて重要であり、単に住居があればよいという問題ではありません。

 

ところで、現場の教職員の方々からは、住環境整備に伴う運営負担について、率直な不安の声もお聞きしております。寮の運営には、建物管理や維持費、管理者の確保といった財政的課題だけでなく、緊急時対応など、結果として学校側に一定の人的負担が及ぶ可能性もあります。仮に、こうした負担が過度になるのであれば、制度の持続性にも影響を与えかねません。

これまでに、地域の善意により、住まいを提供してくださる方の協力で対応してきた事例もあると伺っておりますが、こうした仕組みが善意や個別の努力に依存している状況は、制度としては脆弱であり、長期的に見て、せとうち留学の拡充を目指す上では課題が残ると考えます。

 

他県の事例を見ますと、鳥取県では県立高校への県外生徒受入れを推進するため、「ふるさとファミリー」制度として、県外生徒の下宿を受け入れるための下宿住宅の整備に対し県が補助を行う仕組みを整えております。家主が安心して受け入れられる環境を整備し、住環境を「制度として」支えることで、受験や入学が住まいの有無に左右されない体制づくりを進めていると承知しております。このように、住環境を公的に支えることを県の「制度として」位置づける考え方は、本県においても参考になるのではないでしょうか。

 

せとうち留学をさらに発展させ、全国からより多くの生徒に本県の高校を選んでいただくためには、教育の質の向上と併せて、生活基盤の整備を戦略的に進めることが重要です。同時に、学校現場に過度な負担をかけない制度設計を行うことが前提であると考えます。

学校現場に負担をかけない、登録制の下宿制度、空き家を活用した小規模シェアハウス、見守り体制を伴う居住支援など、多様な選択肢があり得ます。重要なのは、住環境を善意や偶発的な対応に委ねるのではなく、県として、制度として位置づけることではないでしょうか。

そこで、教育長にお伺いいたします。

せとうち留学を拡充し、本県の高校をより多くの生徒に選んでいただくために、学校現場の負担軽減にも配慮しつつ、既存資源を活用した、せとうち留学生の住環境支援制度の可能性についてどのように考えているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。

 

高校教育課

(教育長答弁)

次に、既存資源を活用したせとうち留学生の住環境支援制度についてであります。

 

高校生が他県で生活するにあたり、本人や保護者が一番心配することは、朝夕に食事が提供されることはもちろんのこと、生活支援や相談相手となるスタッフが常駐することなど、安全・安心な生活環境の確保であると認識しております。

 

これまでも、東かがわ市や観音寺市では、域内の高校のせとうち留学生に下宿費補助などの支援制度を設けていただいているほか、各校でPTA、同窓会、後援会、地元自治体など地域の関係機関との連携のもと、空き家などの既存施設の活用も検討してまいりましたが、十分な受入環境が整っていない状況であり、生徒への住居の確保や日常生活の支援にあたる教員の負担は大きくなっております。

 

このため、県教育委員会では、昨年末より、せとうち留学生等に対し、適切な住環境を備えた物件に関する情報を紹介するため、食事の提供や生活支援スタッフの駐在など、一定の要件を満たす住居を提供できる民間企業等と業務提携を行っているほか、令和8年度には、県の既存資源である県楠上職員住宅の跡地を活用した生徒寮の整備について検討を進めることとしております。

加えて、議員御指摘の他県の事例等も参考にしながら、市町の教育委員会や地域振興を担当する部局などと連携を深め、学校現場の負担軽減にも配慮しつつ、より多くの生徒を受け入れるための方策について検討してまいりたいと考えております。

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