産業県議会質問 2026.03.12

195. 令和8年2月県議会定例会一般質問2日目 質問3点目 R8,3,12 香川・せとうちnext小泉敦

質問の第3点目は、芸術学部のある県立大学についてです。

 

本県は、「アート県かがわ」を掲げ、平成22年に始まった瀬戸内国際芸術祭を通じて、国内外から高い評価を受ける地域へと成長してまいりました。開催を重ねるごとに認知度は高まり、累計の来場者数や経済効果も大きな規模に達しております。直島をはじめとする島しょ部のみならず、高松港周辺、丸亀、東かがわなど、県内各地にアートを目的とする来訪者が訪れ、本県のブランド形成に大きな役割を果たしてきました。

さらに、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、イサム・ノグチ庭園美術館など、世界的に評価される芸術・建築資源を数多く有しております。建築や現代美術に関心を持つ国内外の方々にとって、本県は極めて魅力的な地域であり、この環境そのものが大きな教育資源であると考えます。

 

しかしながら、四国には、総合的な芸術学部を有する大学は存在しておりません。

芸術を志し、このような学部で学ぼうという若者たちは、県外へ進学せざるを得ず、その多くがそのまま県外で就職し、戻ってこないという現実があります。人口減少、とりわけ生産年齢人口の減少が深刻化する中、若者を「外に出さない」発想ではなく、外から若者が集まり、その一定割合が地域に定着する仕組みをつくることが重要ではないでしょうか。

その一つの参考事例として、金沢美術工芸大学があります。金沢市は伝統工芸や文化都市としての強みを活かし、工芸大学を核に県外から多くの学生を集めています。そして、その一定割合が卒業後も地域に残り、工芸、デザイン、文化関連産業などを支えているものと考えられます。芸術教育を地域の文化政策と結びつけることで、都市のブランド形成と人口政策を両立させている好例であります。

 

本県にも、瀬戸内国際芸術祭という国際的ブランドがあり、世界に誇れる芸術資源があります。「香川だから学びたい」と思わせる分野として、芸術分野は極めて親和性が高いと考えます。

また、芸術教育の本質は単なる技能の習得ではありません。それは「正解のない問いを立てる力」、すなわちゼロから一を生み出す創造性を育む教育であります。AIが進展し、既存の業務が自動化される時代においてこそ、このゼロから一を生み出す力は、社会にとって不可欠な価値を持ちます。芸術学部は芸術家を養成する場にとどまらず、新しい産業や文化を生み出す源泉となる人材を育てる基盤になり得ます。

人間の感性や表現、文化の本質を体系的に学ぶ芸術学部は、地域の文化土壌を内側から育てる教育基盤として独自の意義を持つものと考えます。

 

瀬戸内国際芸術祭は、15年の歴史を経て一定の成功を収めました。認知度も高まり、来場者数や経済効果も上がってきました。では、その次は何でしょうか。

私は、イベントとしての芸術から、住民が日常的に芸術に触れ、学び、関わることのできる文化土壌へと進化させる段階にあると考えます。教育はその入り口であり、若者が地域に入り、制作し、地域と混ざり合うことで、アートと住民との距離は縮まり、文化としての定着が進みます。

 

そこで、知事にお伺いいたします。

本県が築いてきた芸術資源を観光にとどめるのではなく、教育を通じて次世代に継承し、創造性を内側から育てる仕組みへと発展させるためにも、香川県に、芸術学部のある県立大学を創設する、又は県立大学に芸術学部を置く可能性について検討すべきではないでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。

政策課

 

(知事答弁)

次に、芸術学部のある県立大学についての御質問がございました。

 

 御指摘のとおり、本県は、瀬戸内国際芸術祭の開催をはじめ、世界的に評価される文化芸術資源を数多く有する魅力的な地域であると考えており、これまで東京芸術大学と連携して、
県内の高校生等に作品づくりの流れを学ぶ

機会を設けるなど、文化芸術の将来を担う人材の育成に努めているところであります。

 

 また、漆芸研究所におきましても、県内外から毎年7名程度の入所が継続しており、高度な技術を取得した漆芸作家を継続的に着実に輩出しているところであります。

 

 一方で、検討を進めている県立大学の設置・拡充につきましては、人口減少が進む中での若者の県外流出や、県内企業の人手不足などの課題を解決することを目的に、現在、県内高校生や県内企業等へのヒアリングやアンケートの実施、さらに、県内の既存大学や教育関係者との意見交換などにより幅広く御意見を伺っているところであります。

 

 今後、
こうした関係者からの声をまとめながら、具体的に大学でどのような人材を育成していくのがよいか、有識者等からなる検討委員会の意見をいただきながら、県議会での御議論も踏まえ、是非を含め、県としての方向性を示してまいりたいと考えております。

 

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