産業 2026.04.12

201. 神戸観光局による「稼ぐ観光」

先日、DMOである一般財団法人神戸観光局の周尾常務理事、松村広報・マーケティング担当部長にヒアリングをさせていただきました。
発表されたばかりのインバウンド戦略2030・国内旅行戦略2030の実際の運用について、現場のリアルをお聞きする貴重な機会となりました。

まず印象的だったのは、神戸が明確に「滞在型観光」への転換を目指している点です。
単に人を呼び込むのではなく、「長く滞在してもらい、消費してもらう」という方向性が徹底されています。

実際に、神戸空港への国際チャーター便就航以降、外国人宿泊者数は1.5倍のペースで増加し、KPIである宿泊者100万人を達成しています。さらに2030年には、宿泊者数250万人、消費額5,500億円という高い目標が設定されています。

そのための具体的な取組として興味深かったのが、「観光の中身」を変えていく発想です。

例えば、
・六甲山でのトレッキングや登山
・酒蔵見学や牛の飼育見学といった“暮らしの体験”
・ゴルフやマラソンなどのスポーツツーリズム

単なる観光地巡りではなく、「体験」によって滞在時間を延ばす工夫がなされています。

また、広域連携の考え方も非常に参考になりました。
神戸単独ではなく、姫路や淡路島、さらには瀬戸内エリアと連携しながら、周遊型の観光ルートを構築しています。

実際に、小豆島や高松と連携したモニターツアーも実施されており、今後は欧米豪をターゲットにした取組も進めていくとのことでした。

一方で、非常に率直なお話として印象に残ったのが、「KPIやデータの活用はまだ手探りの部分がある」という点です。

戦略としてKPIは設定されているものの、それを事業者の行動変容までつなげることには課題があるということでした。
また、SNSの活用についても、国ごとに適した媒体(韓国はネイバー、中国はレッドなど)を試行錯誤しながら模索している段階とのことでした。

つまり、神戸のような先進的な地域であっても、
「戦略をつくること」と「現場が動くこと」の間にはまだ距離があるという現実があります。

これは非常に重要な示唆だと感じました。

観光政策においては、
・戦略をつくる
・データを集める
だけでは不十分で、

「それが現場の事業者の行動にどうつながるか」

ここまで設計して初めて成果につながる

ということです。

今回のヒアリングを通じて、改めて
「観光は“来てもらう”だけではなく、“稼ぐ仕組みをつくる”ことが重要」
だと感じました。

小豆島や香川県においても、
・日帰りから宿泊へ
・点から面へ(広域連携)
・観光から体験へ

こうした視点を取り入れながら、持続可能で稼げる観光のあり方を考えていきたいと思います。

引き続き、現場の声を大切にしながら政策に活かしてまいります。

 

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