産業環境県議会質問 2024.07.09

2024年07月09日:令和6年6月定例会小泉敦質問(第4日)

質問

私は、県議会議員として二年目ですが、香川のこと、地元のことについて、まだまだ勉強不足で知らないことばかりであります。ですが、知らないからこそ、もっと学ぶ必要があると感じておりまして、最前線で活動される事業者や行政職員や住民の方々の声を聞き、日々勉強させていただいている次第です。今回の一般質問も、全てこうした現場から聞いた声を素材とさせていただいております。
 本県の資源、取組を私たちが誇りに思い、それを全国そして世界に発信し、多くの人でにぎわうことを期待して、質問に移らせていただきます。

 質問の一点目は、オリーブの振興についてです。
 本県では、明治四十年に、当時の農商務省の指定を受け、小豆島の西村地区がオリーブ試験地に選定されました。その翌年、オリーブの苗木五百十九本を定植し、これが日本におけるオリーブ研究の始まりとなりました。
 同時期に三重県と鹿児島県でもオリーブが試験的に導入されましたが、温暖で年間降雨量が少なく土壌の排水が良好な香川のオリーブだけが地に根づき、その後、栽培面積を広げるとともに、食品産業を発展させるための基盤整備や観光戦略を積極的に展開し、今では日本一のオリーブ産地として、全国の約九割の収穫量を占めています。
 百十七年の歴史を持つ小豆島のオリーブ栽培は、気候が適していただけでなく、生産者のたゆまぬ努力と行政による環境整備の両輪によって支えられてきました。
 行政による取組の一つとして、オリーブ特区制度があります。株式会社などへの農地の貸付けを特例措置として容認し、農業の担い手が不足し、地場産業が停滞する中で、小豆島の貴重な地域資源であるオリーブを、加工サイドの企業自らが町内の遊休農地で栽培に取り組み、小豆島産オリーブの実、葉などの原材料を確保し、遊休農地を有効活用し、官民一体で活性化を図りました。
 小豆島でのオリーブ試験地は、平成二十三年に小豆オリーブ研究所と改称され、現在、日本で唯一のオリーブ専門の研究機関となっています。

 このように歴史ある香川のオリーブとその研究について、このたびは具体的に次の三点についてお伺いいたします。
 一点目は新品種の苗木の安定供給と生産振興についてです。
 小豆オリーブ研究所は、試験研究から商品化までを視野に入れ、開かれた研究所として香川のオリーブ振興をリードしています。
 オリーブ研究所による交配・開発により、平成二十九年に、新品種香オリ三号、香オリ五号が品種登録出願されました。交配の取組をスタートしてから実を取れるようになるまで十年近くかかります。昭和二十九年から六十年以上にわたり研究を続けた結果、ようやくその成果が数年前に現れたのです。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 新品種香オリ三号と香オリ五号の苗木の安定供給を図り、普及を促進する必要があると考えますが、最近の実績を含め、知事の考えをお聞かせください。
 また、オリーブの生産振興に関する取組についてもお伺いいたします。

 二点目は、官能評価パネルについてです。
 小豆オリーブ研究所では、県産オリーブオイルの品質の向上と信用力の強化を図るため、オリーブオイルの品質を国際基準に沿って香りや味などで評価する香川県オリーブオイル官能評価パネルを設置し、オリーブオイルの官能評価を行っております。
 こうしたパネルを育成し、人数を確保し、パネルによる厳格なIOCの基準を再現することで、オリーブ研究所の官能評価の質が担保されています。
 そこで、今後、パネルをどう育成し、安定的に官能評価に取り組むかについて、知事の考えをお聞かせください。

 三点目は、かがわオリーブオイル品質評価・適合表示制度についてです。
 かがわオリーブオイル品質評価・適合表示制度は、県産オリーブオイルに対する消費者の信頼を高め、その普及と需要拡大を図り、本県のオリーブ産業の振興に資するものとされています。
 プレミアムは酸度〇・三%以下と、厳しい基準をクリアした新鮮なオイルであることを証明しています。
 このことをさらに周知し、香川オリーブのブランド強化を図る必要があると考えますが、知事のお考えをお聞かせください。

質問の大きな二点目は、小豆島で開催される全国醤油サミットについてです。
 近年、食の安全に対する意識や健康志向が高まり、海外でもユネスコ無形文化遺産に登録された和食がブームになるなど、大豆由来の発酵食品であるしょうゆにも注目が集まっています。
 農林水産省の二〇二三年の農林水産物・食品の輸出実績によると、昨年のしょうゆの輸出額は約百億円、対前年比で六・九%増となっており、伸びを見せています。

 小豆島では、質の良さで知られた塩が豊富だったこと、気候風土がこうじ菌の発酵やもろみの熟成に適していたこと、小麦は備前、讃岐などから、大豆は船の往来があった九州から大量に入手でき、天下の台所大阪も近く、船を使ってどこまでも大量に運ぶことができるという地理的な条件もあって、しょうゆ産業が発展しました。

 しょうゆ製造の中でも小豆島が特出するのは、現在は姿を消しつつある木おけが伝統的に使用され、多数継承されており、現在も醸造に使用されていることです。木おけ仕込みのしょうゆは、蔵元ごとに異なる複雑な味や香りにその特徴があり、木の容器で時間をかけて発酵させる高級品としてのイメージが世界でも定着しつつあります。

 本年十一月二日、三日の二日間にわたり、第十回全国醤油サミットが開催されます。開催目的の一つとして、世界にしょうゆを広げることを掲げております。

 インバウンドを含めた観光需要が回復しつつある今、香川県の魅力をしょうゆという日本古来の食文化を通じて知っていただく絶好の機会だと思います。うどん県香川をさらに全国、全世界へ広めるチャンスでもあると考えます

 そこで、知事にお伺いします。
 本県が主催しないこうした取組であっても、香川県のにぎわいづくりの一助となることから、観光振興の観点から、県としても積極的に発信していくべきだと考えますが、現在の県の取組と併せて、知事のお考えをお聞かせください。


 質問の第三点目は、災害時の支援物資輸送の確保についてです。

 能登半島地震では、集落の孤立が多発し、二週間以上孤立が続きました。
 本県では、災害時に孤立する可能性がある集落が百九十か所あり、有人島二十四島も存在します。離島に暮らす住民にとって生死に関わる重要な問題となります。

 本県は香川県地区小型船安全協会と協定を締結しており、小型船による海上輸送訓練も実施しています。

 しかし、本県最大の有人島である小豆島では、第一次物資拠点から各避難所までの物資輸送訓練が行われていない現状です。

 そこで、知事にお伺いします。
 現在、海路や空路による離島への災害時の円滑な救助や支援物資輸送の確保のために、どのような取組をしておられ、また、今後どのように取り組むお考えでしょうか。
 県下における災害時の円滑な救助や支援物資輸送の確保に対する知事の意気込みを併せてお伺いいたします。

 質問の四点目は、豊かな海づくりについてです。

 我が国の漁業・養殖業の生産量はピーク時から大幅に減少し、瀬戸内海のアサリの漁獲量は最盛期の二百分の一以下になっているといいます。

 小豆島の漁師は激減し、「もう魚が捕れない」「自分の代で終わりかな」との声もあります。

 海の環境改善に本気で取り組まないと、もう取り返しのつかないところまで来ている状況だと思います。

 そこで、知事にお伺いします。
 フルボ酸鉄シリカの活用について、その後どのように取り組まれたのか、また、今後取り組む予定があるのか、知事の認識を教えてください。
 また、海の環境改善に対する知事の意気込みを併せてお伺いいたします。

以上で私の一般質問を終わりにいたします。

香川県知事【池田豊人】

議員の御質問にお答えいたします。
 まず、オリーブの振興についての御質問がございました。
 新品種の苗木の安定供給につきましては、県が一括しまして苗木を育成・管理をしております。令和二年度から五年度までの四年間で、香オリ三号は三・五ヘクタール分の九百八十五本、香オリ五号は四・八ヘクタール分の千三百三十五本を県内生産者に配付をしておりまして、現時点では需要に応じた供給ができております。
 今後も、新品種の苗木を計画的に育成しまして安定供給を図り、早期の香オリ三号、香オリ五号の普及を図ってまいりたいと考えております。
 また、生産振興につきましては、本県独自にオリーブを新植・改植した際の未収益期間の管理経費などに対する助成制度を設けており、引き続きオリーブ産業の基幹となるオリーブの生産拡大を図ってまいりたいと思います。

 次に、小豆オリーブ研究所の香川県オリーブオイル官能評価パネルについてでありますが、オリーブオイルに関する唯一の国際機関でありますIOC(インターナショナル・オリーブ・カウンシル)から、六年連続で公式官能評価パネルとして認定をされております。
 現在、官能評価員の人数は、公募や推薦により、必要な二十五名程度を維持できております。今後も安定的に官能評価に取り組むために、人材の確保や年間六回の実習によりまして、オリーブオイル特有の風味に対して高い感性を持った人材の育成に努めてまいります。

 次に、香川オリーブのブランド強化についてでありますけれども、実需者向けにおいては、今月二十四日に東京で開催される商品展示会に出展をする予定にしております。また、消費者向けについては、本年産のオイルが出そろう冬季に、消費拡大キャンペーンや県内百貨店におけるフェアなどを行うこととしており、鮮度のよさや風味の豊かさをPRをしてまいりたいと考えております。


 次に、全国醤油サミットなどの情報発信についての御質問がございました。
 地域で開催されるイベントについては、地域固有の観光資源を活用し、本県の魅力を感じていただけるものが数多くありますので、この全国醤油サミットを含め県が主催しないイベントについても、SNSや県公式観光サイトなどによって積極的に情報発信を行っており、今後ともその方針で進めたいと思います。

 また、海外に向けましても、日本古来の食文化などについて、外国人観光客に訴求力のあるコンテンツなどを、高松空港国際線が就航する国や地域を中心に、SNSを活用して情報発信をしているところでございます。

 御指摘の全国醤油サミットについては、県も後援をしております。しょうゆ文化の歴史を持つ香川の魅力を感じていただける重要なイベントでありますので、国内外から多くの観光客に訪れていただく絶好の機会と捉えております。
 県公式観光サイトや県産品ポータルサイト、SNSなどを活用して、小豆島の木おけ仕込みのしょうゆの魅力を幅広く発信をするよう準備をしてまいりたいと考えております。


 次に、災害時の円滑な救助や支援物資輸送の確保についての御質問がございました。
 能登半島地震では道路の寸断による集落の孤立化が課題となったところでございますけれども、大規模災害発生時に孤立した集落や離島における被災者の救助や物資の輸送を円滑に行うために、海路や空路を利用した輸送体制を整えておくことは重要であると考えております。

 まず、被災者の救助につきましては、空路である防災ヘリの活用が有効であると考えておりまして、県防災航空隊では日頃から救助訓練などの実践的な訓練を行っております。
 今後、空路での救助活動がより円滑に行えるよう、訓練を今後とも積み重ねて行ってまいりたいと思います。

 また、物資輸送につきましては、海路による対応が中心になるものと考えております。県では、香川県地区小型船安全協会との協定に基づきまして、小型船を利用した島嶼部への物資輸送訓練を関係市町と連携しながら、令和三年度以降、毎年度実施しているところでありまして、今後ともこの訓練を着実に実施をしていきたいと考えております。

 今後、航路啓開後の島嶼部への物資輸送が円滑に行えるよう、関係機関に加えまして、県と協定を締結している香川県トラック協会や赤帽香川県軽自動車運送協同組合、香川県旅客船協会との間で、災害時を想定した連携関係づくりをさらに進めてまいりたいと思います。

 私としましては、離島は地理的条件がより厳しいことから、災害時における救助や物資輸送が迅速かつ円滑に行えるように特に留意する必要があると考えております。
 今後は、関係機関相互の調整や訓練を平時から十分に行い、輸送体制の確保に万全を期してまいりたいと思います。

 なお、その他の御質問につきましては、環境森林部長よりお答え申し上げます。

環境森林部長【秋山浩章君】

 

小泉議員の豊かな海づくりについての御質問にお答えをいたします。
 本県におけるアサリの漁獲高は、近年、ほぼゼロの状況となっており、全国的にもピーク時から大幅に減少しております。
 アサリの漁獲高の減少につきましては、地球温暖化に伴う海水温の上昇、埋立てによる生息地の減少、ナルトビエイやクロダイによる食害、ホトトギスガイ等の競合種による生息環境の悪化など、様々な要因が考えられます。

 御指摘のフルボ酸鉄シリカ資材は、福岡大学において、アサリ漁獲量増大のために活用する研究が行われ、アサリの生息量が回復する結果が得られていることは承知をしております。

 一方、他の複数の研究機関等においても実証試験が行われておりますが、現時点では具体的な効果は確認されていない状況であり、引き続き情報収集に努めております。

 瀬戸内海におけるアサリなどの水産資源の持続的な利用の確保に向けては、海水温や栄養塩類等の環境条件の変化に対する生物の応答など、依然解明されていない点も多い状況であります。

 県では、香川大学と共同で、アサリ資源回復に向けた取組に関する研究を進めており、志度湾等におけるアサリの発生状況の把握や成長に適した生育環境の研究などを行っており、今後も継続することとしております。

 県といたしましては、漁業者などの御意見もお聞きしながら、瀬戸内海の有する価値や機能が最大限に発揮されるよう、藻場の造成や保全、漁場環境の改善、種苗の安定供給など、瀬戸内海を豊かな海にしていくための取組をこれまで以上に進めてまいります。

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