働き方福祉・介護県議会質問 2024.12.03

2024年11月文教厚生委員会質疑応答状況 障害者の就労支援について

 

(質問)

障害福祉行政の最近の動向によると、障害者の総数は1,160.2万人であり、人口の約9.2%に相当している。

 

企業等に就職している障害者は約64.2万人、対前年比4.6%増加、そして、一般就労が困難な障害者の就労支援施設、障害福祉サービスA型・B型といった、福祉的就労に就いている障害者数は45万6,177人、対前年度比6.9%増と、それぞれ過去最高となっている。

 

本県においても、就労継続支援A型・B型の事業所数が181か所、利用者数が3,056人と増加しており、障害者が地域で生き生きと暮らすことができる社会をつくっていくためには、企業への就職だけではなく、福祉的就労、先程述べたA型・B型のような就労の推進も重要であり、障害者の働く場を確保するとともに、障害者の収入を増やすことで、社会参加と自立に大きく寄与するものであると考えている。

 

県では、令和3年度から令和5年度の3年間を実施期間とする「第4期かがわ工賃向上指針」を定めて、就労継続支援B型事業所の工賃向上に向けて取り組んできたと承知している。

 

まず、「第4期かがわ工賃向上指針」での取組み状況や、目標の達成状況などの成果について伺う。

 

(土手障害福祉課長)

障害者が地域で自立した生活を送るためには、障害者の就労を

支援することに加えて、一般就労が困難である方の福祉的就労における工賃の水準向上を図ることが必要であり、県では、平成24年10月に「かがわ工賃向上指針」を策定し、それ以降、3年ごとに見直しを行いながら、就労継続支援B型事業所の工賃向上に取り組んできた。

 

委員お尋ねの、「第4期かがわ工賃向上指針」での取組み状況については、県ではこれまで、工賃向上に取り組む事業者に対してアドバイザーを派遣する「専門家派遣事業」や、工賃向上に関する先進事例の紹介や専門的情報の提供、ノウハウの習得、共有等を図る「研修事業」などに取り組んできたところである。

 

具体的には、専門家派遣事業では、新分野進出や販路開拓等に関するノウハウを有する中小企業診断士をアドバイザーとして派遣し、各事業所の工賃向上計画に関する助言等を行うとともに、戦略方針の決定などを後押ししている。また、研修事業では、施設・事業所へ仕事を発注する地元企業の代表者を講師に迎えた集合型研修を開催し、仕事を受ける障害者就労施設等との連携強化について講演いただくとともに、参加事業所間の情報共有を行うことで、双方における工賃向上に向けた意識の醸成を図ることができている。

 

このほか、香川県社会就労センター協議会における共同受注窓口の効率的な運用や、官公需等による受注の推進に取り組んでいる。

 

これらの取組みのうち、特に、県による優先調達については、障害者就労施設等からの物品や役務の調達の推進に積極的に取り組み、令和5年度の優先調達額は2,780万円余と、これまで過去最高であった令和2年度の2,617万円余を上回るなど、工賃の増額に一定の寄与をしたものと考えている。

 

そのような中、第4期指針での目標の達成状況については、本県の就労継続支援B型事業所における工賃は、平成30年度以降、全国平均を上回る状態が続いている。

 

計画最終年度となる令和5年度の平均工賃月額は、22,688円であったが、これは国の報酬改定により、事業所の平均工賃の算定方法が変更されたことから、この実績を、計画の数値と単純比較することができなくなった。そのため、前年度である令和4年度で比較すると、令和4年度の平均工賃月額実績が17,371円、令和2年度から約4%増加したものの、目標額としていた18,400円を達成することはできなかった。

しかしながら、第4期指針策定の基礎とした、令和2年度実績16,664円と比較して、工賃実績は増加したことから、当該指針に基づく各事業所の工賃向上に向けた取組み及び県の事業者に対する支援に一定の成果はあったものと考えている。

 

平均工賃時間額についても、令和5年度は248円で、令和2年度より約10.7%増加したものの、令和5年度の目標としていた259円を下回っている。この結果については、当該指針における目標工賃は、各事業所が策定した工賃向上計画における各年度の目標工賃を参考に設定したものであったが、見込んだほどの増加は見られなかったことによるものと考えている。

 

また、各年度の目標値を達成している事業所数は、令和3年度

は対象事業所133事業所に対して43事業所、令和4年度は136事業所に対して48事業所であり、全体の割合で見ると、達成事業所数は増加している。

 

(再質問)

工賃の向上に関して一定の成果があった、43事業所から48事業所が達成されたということで、増加したということだが、この工賃の一定の成果があったという部分に関しては、各事業所間でその成果があったりなかったりというのが、それぞれまちまちだと思う。この成果があった部分に関して、何が要因で、この工賃向上につながったのかというのを、より分析したり、それをさらに共有したりすることで、成果が出てなかったところにも幅広く、そういった影響が出てくると思うので、そうした形で引き続きやっていただければと思う。

 

今回その目標値をお知らせしていただいたが、その達成がすべてではなく、社会参加ややりがいも大切だと考えるが、工賃の向上は、障害のある方が、地域で自立して生活していくために必要なものであると考える。

 

働く力と意欲のある障害者に対して、工賃の向上を図るためには、国においても効果的な方策が推進される必要があり、一般企業等での就労が困難な方には、就労継続支援によって就労に関する知識や能力の向上に必要な訓練を実施するほか、一般企業等への就職を希望する方には、就労移行支援によって一定期間、企業への就職準備をサポートするという制度がある。

 

加えて、障害者本人が自分の働き方を考えることをサポートする支援として、来年10月から「就労選択支援」という新しい支援が創設されると承知している。その背景には、障害者の就労能力や適性等については、現在も就労継続支援や、就労移行支援といったサービスの利用を開始する段階で把握しているが、それらを踏まえた働き方や就労先をどうするかといった選択には結びついていなかったり、必ずしも質が担保されていないといった側面がある。

 

こうした動きがある中、本県では、先月、令和6年度から令和8年度の3年間を実施期間とする「第5期かがわ工賃向上指針」を策定したが、新しい指針に基づいて、今後どのように障害者の工賃の向上を目指すのかについて、そしてまた、新しく始まる就労選択支援にどのように取り組んでいくのかについて伺う。

 

(土手障害福祉課長)

 県では、先月、令和6年度から令和8年度を対象期間とする「第5期かがわ工賃向上指針」を策定し、公表したところである。この指針では、令和6年度の目標工賃月額を令和5年度の実績額22,688円から412円増の23,100円と定め、以降、1年ごとに3%の工賃向上を目指すこととしている。

 

目標の達成に向け、県では、第4期指針を基本とした取組みが中心となるが、香川県社会就労センター協議会において、事業者等とのマッチングを行うコーディネーターのさらなる人材育成に努めることで、県や市町からの優先調達を一層推進し、また、これまで取り組んできた農業分野との連携に加え、建設など、新たな分野との連携を開拓するなどして、共同受注窓口の強化を図り、県内障害者の工賃向上に資する支援の充実に努めてまいりたいと考えている。

 

お尋ねの「就労選択支援」については、委員ご指摘のとおり、既存の就労継続支援A型・B型、就労移行支援などのサービスは、あらかじめ本人がどのサービスを利用するかを選択した上で市町に申請を行い、支給決定を受ける必要があることから、中には、本人にとって必ずしも適切なサービスにつながっておらず、就労が定着しないなどの課題があったことを受け、新たに創設されるものである。

 

就労選択支援では、障害者本人と支援者が協同し、本人の希望や就労能力、適性等を見極めるとともに、本人が力を発揮しやすい環境要因や職業上の課題、就労にあたっての配慮事項などを整理していくことが特徴であり、このサービスを利用することで、本人の自己理解を促し、就労先や働き方について、より良い選択を行っていけるようになることが期待されている。

 

県では、就労選択支援への取組みを促進するため、まずは、新しくこのサービスを担っていただく施設や事業所のほか、障害者本人への支援を行う相談支援事業所や、サービス利用に係る支給決定を行う市町等の理解を深めていただくことが重要であると考え、9月にこれらの事業所等を対象に、制度の理解や要件の確認、具体的なアセスメントの手法など、制度開始に伴う様々な疑問を解消する勉強会を開催したところである。

 

勉強会は今年度中にあと3回開催する予定であり、就労選択支援に精通した有識者や国の担当者を講師に迎えて講演を行うとともに、実際の支援方法に関するグループワークを行うことで、より実践的な学びを深める機会を設けることとしている。

来年10月からの円滑なスタートに向け、このサービスに取り組む施設・事業所の指定を行うなど、引き続き、障害者の就労支援の充実に取り組んでまいりたい。

 

(再質問)

就労選択支援の勉強会を開催されて、あと3回開催されるということで、このアセスメントの手法に関する勉強会に参加された方をもう一度お願いしたい。

 

(土手障害福祉課長)

まずは、就労系の事業を行っている施設や事業所、それから、障害者の選択を支援する相談支援事業所、それから支給決定を行う市町などを主な参加者としている。

 

(要望)

本指針及び就労選択支援に基づいて、工賃がさらに向上することを期待している。

障害の有無を問わず、誰もが、就労選択支援によって、自分の適性に合った仕事をすれば、効率よく仕事を進められると思うし、合っていない仕事をしていて、自分に嘘をついて無理して仕事をしていたら、長続きしないと思う。本人が自分の適性を生かして、遅いペースであったとしても、自分のペースで生きがいを感じながら仕事をすることが、長い目で見ると、仕事を休んだりせずに済むので、工賃の向上となって、本人にも就労先にもメリットがあると思う。

 

そのためには、本人が自らの長所を知り、支援者や就労先が、それを最大限に生かす環境をつくることが必要になると思う。こうした視点も踏まえて、すべての県民が、障害のあるなしによって分け隔てられることなく、互いに人格と個性を尊重しながら、笑顔で安心して生き生きと暮らせる香川を実現していただくよう要望する。

 

そしてそういったサービスの選択をするにあたって、就労選択支援という新しい形態が、県内で、ここの地域だけは充実しているけど、ここではという可能性もある。そうした各地域の担当者、事業所、相談支援事業者などに幅広く周知していただいて、勉強会に参加していただきつつ、アセスメントの手法というのが、必ずしも就労選択支援の事業所でないとできないわけではないと思うので、そうした勉強会を開催し、研修することによって、元々合ってないサービスを選ぶことがないように、ぜひ周知していただければと思う。

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