
(質問)
人口減少が進み、地域の担い手不足が様々な分野で課題となる中、行政だけでなく地域に暮らす一人一人がそれぞれの知見や経験、能力を生かして地域を支えていくことが、これまで以上に重要になっていると感じている。
県庁の職員の中にも、担当する業務とは別に、様々な資格や経験、知識、得意分野を持っている職員がいると考える。
県では、こうした職員の力を生かす取組みとして、地域社会貢献に繋がる兼業を推奨するとともに、庁内においてもジョブチャレンジ制度を実施している。
地域社会貢献に繋がる兼業については、令和6年10月に全職員への周知が行われ、その後も人材育成・確保の取組みに位置付けられている。制度を設けることによって実際に職員に活用され、それぞれが持つ力を生かす機会につなげていくことが大切であると考える。
そこで、地域社会貢献に繋がる兼業及び庁内ジョブチャレンジ制度について、これまでの活用状況をどのように受け止めているのか、また、今後、職員への浸透や活用をどのように進めていくのかについて伺う。
(安藤総務部長)
まず、兼業の関係であるが、地方公務員が報酬を得て公務以外の事務や事業に従事する、いわゆる兼業については、地方公務員法に基づき任命権者が許可する制度となっている。
県職員の兼業については、近年、兼業許可の対象となる活動の範囲などを職員に具体的に提示することで、兼業への参加を後押ししている自治体・都道府県等が増えてきた状況を踏まえ、令和6年10月に、地域社会貢献に繋がる兼業を推奨する通知を全職員に対して行った。
この通知については、令和6年3月に策定した香川県行政経営指針の基本方針の一つに「現場主義による企画・検証・改善」を位置付けており、これに資する取組みとして、職員が地域や社会に貢献する活動に積極的に参加し、県民の声を聞いて行政ニーズを直接把握することで、現実的で具体的な政策の企画を行う契機としてもらう趣旨である。
この地域社会貢献に繋がる兼業の職員の活用状況については、従来からあった子ども食堂の運営や手話通訳などに加え、新たに高校の部活動の指導や鳥獣被害の防止活動など、公益性の高い活動への従事が見られるなど、活用の内容について一定の広がりが見られており、令和7年度は41件の許可を出している。
また、庁内ジョブチャレンジ制度については、これも行政経営指針に定める「挑戦に向けた体制づくり」に資する取組みとして、令和6年度から導入している。
職員が視野を広げて自身の適性に気づく機会や、得意分野を生かして県庁内で活躍する機会を提供することで、主体的なキャリアプランの形成と実現を支援するものである。勤務時間の20%、概ね週1日を上限として、自所属以外の業務に従事できる仕組みである。
本制度は特に若手職員の育成につなげていきたいと考えており、庁内の所属から具体的な業務を募った上で、特定分野の知見や能力を持つ職員とマッチングを行い、業務に携わってもらっている。具体的には、庁内業務のDXの推進、県職員の人材確保の対策、さらにはかがわマラソン、かがわ総文祭などの大型イベントの企画運営、県産品の振興など、様々な分野に、制度を創設した令和6年度から延べ41名の職員が活用している。
この地域社会貢献に繋がる兼業、そして庁内ジョブチャレンジ制度については、その活動を通して職員の成長の機会を創出するものであり、職員の視野の拡大や組織の垣根を越えた連携意識の醸成のほか、主体的なキャリアプラン形成の支援にもつながっていると考えている。
今後も本制度を職員に浸透させていくため、職員に向けて定期的に情報発信を行うツールである「ジン・マガ」の職員ポータルでの広報や、職員研修の機会を通じて、各制度の趣旨や意義について職員に分かりやすく発信し、活用を促してまいりたい。
(再質問)
様々な機会を通して職員への周知が行われており、ジョブチャレンジ制度についても41名が活用しているとのことであり、引き続き、職員に知ってもらい、活用を広げていくことが重要であると承知した。
地域社会貢献に繋がる兼業については、現在、職員自身が兼業先を見つけ、自ら申請することが基本となっている。一方で地域に目を向けると、人口減少や高齢化などを背景として様々な分野で担い手不足が生じている。
例えば、地域活動やイベント、子どもたちへのスポーツ・文化活動の指導、デジタル分野や外国語など、地域団体やNPO、市町がこうした力を持った人に協力してもらいたいと考えている場面もあると考える。
県職員の側にも、自身の経験や得意分野を地域のために生かしたいと思っていても、どこで自分の力が必要とされているのか、あるいは具体的にどこへ応募すればよいのかが分からなければ、活動にはなかなかつながらないと考える。この点、他県においてはマッチングシステムを構築している事例もある。
直ちにそうした大掛かりなマッチングシステムを構築するということではなくても、まずは地域側にどのような人材のニーズがあるのかを把握し、それを職員に情報提供するというところから始めてもよいのではないかと考えている。そうすることで、「自分の経験がここで生かせるのではないか」と職員が地域に一歩を踏み出すきっかけにもなり、地域にとっても新たな担い手との接点が生まれると考える。
そこで、地域社会貢献に繋がる兼業をさらに活用していくために、市町やNPO、地域団体などが求めている人材ニーズをまず把握し、その情報を県職員に届けるなど、地域と職員をつなぐ取組みについて今後検討することに関し、考えを伺う。
(安藤総務部長)
人口減少や高齢化が進展する中で、地域活動をはじめとする様々な分野で担い手不足が生じており、職員が持つ知識や経験を地域に生かす県職員の地域貢献に繋がる兼業については、今後もさらに活用していくことが指摘のとおり重要であると考えている。
この地域社会貢献に繋がる兼業については、職員自身が兼業先を見つけ、自ら申請することが基本となっている。
令和6年10月の職員向けの通知においては、想定される地域社会貢献に繋がる兼業の事例として、「保健・医療・福祉の増進」、「社会教育の推進」、「観光の振興」、「学術・文化・芸術・スポーツの振興」など12の分野を列挙している。さらに、それぞれの分野ごとに、例えば社会教育の推進であれば「大学における非常勤講師」、観光振興の関係であれば「地域通訳案内士としての観光ガイド」といったように、分野ごとの具体的な活動内容も例示して周知を行っている。
さらに、職員向けに質疑応答集を作成しているが、過去に職員から問い合わせがあった事例なども幅広く掲載しており、より具体的な説明を行うなど、職員への情報提供を積極的に行っている状況である。
さらなる促進に向け、委員から提言のあった、地域のニーズを把握した上で県職員の兼業とマッチングを行うシステムについては、先進事例として福井県において既に実施していると承知している。
今後、福井県に対して具体的な取組みの内容やその成果、あるいは実務上どういった課題があるかといったことについて聞き取りを行いたいと考えている。また、全国的に地域社会貢献の兼業を促進していこうという時代の流れがあることから、福井県以外の県においても効果的な取組みを行っていないかなども情報収集を進め、県職員の地域社会貢献に繋がる兼業の促進に向けて、本県でも実施可能なものがあるか検討を行ってまいりたいと考えている。
(要望)
改めて他県の事例も参考にしながら、今後の対応について検討していくとのことであった。
答弁にもあったとおり、こうした取組みは職員自身のキャリアプランの形成につながるものである。また、地域で必要とされている職種や、列挙されている活動以外にも、民間における様々なお困りごとが存在していると考える。
担い手不足は多くの現場で共通する課題であり、探せばいくらでもあると思われるが、具体的にピンポイントでどのような職種が不足しているのかが可視化されることによって、職員が持つ力をさらにフルに活用することにつながると考える。ぜひ双方にとってウィン・ウィンとなる形で取組みを進めていただきたい。
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