防災県議会質問 2026.09.30

247. 令和8年 県議会総務委員会 質疑状況 被災地への職員派遣経験を生かした災害対応人材の育成・活用について

 

 

 

(質問)

大規模災害発生時、被災自治体だけで対応することは困難であり、全国の自治体から多くの職員が被災地に派遣され、避難所運営や住家の被害認定調査など、さまざまな業務を担うことになる。

 

今回の熊本地震では、被災地に多くの職員が派遣され、様々な業務に従事した。

派遣された職員は、実際の災害現場での動きやどのような業務が発生するか経験する貴重な機会を得たと考えられ、平時の研修や訓練では得られないものがある。

 

そこで、これまで被災地に派遣された職員が現地で得た経験や気付きについて、県としてどのように把握し、今後の災害対応力の向上や人材育成に活かしていくのか、伺う。

 

(来田危機管理課長)

大規模災害が各地で発生している中、現地に派遣され、様々な支援活動に従事した県職員等の経験や気付きを把握し、災害対応における課題等を、今後の災害対応に活かすことは、重要であると考えている。

 

派遣職員が現地で得た経験や気付きについては、将来発生する南海トラフ地震などの災害への的確な対応、今後の他県などにおける効果的な被災地支援活動の実施、また、全般的な職員の危機管理意識の醸成などのために、派遣された職員が現地で感じた課題等について意見交換を行ってきた。

また、派遣先自治体との連携や今後備えておくべき事項などのアンケートを行い、庁内イントラなどで派遣職員以外の職員にも共有してきた。

 

具体的な派遣職員からの意見交換会などでの意見は、将来、本県で発生が懸念される南海トラフ地震等の災害に備えるための業務マニュアルの作成の必要性や平常時からの支援の受入れを想定した訓練の必要性などの意見が寄せられ、これまでも災害対策の各種計画への反映などを行ってきたところ。

 

災害対応力の向上に向けた取組み事例としては、西日本豪雨における愛媛県大洲市への支援経験を踏まえ、災害初動対応力の強化のため、危機管理課職員を対象に、月に1回、予告なしでの災害対策本部運営訓練を実施している。

 

また、令和元年台風第19号で被災した福島県本宮市には、総務省の「応急対策職員派遣制度」に基づき、初めて、避難所の運営支援などを行ったが、市町のニーズを早期に把握する必要性の認識を新たにし、被災市町へ派遣する情報連絡員を新たに確保するなどの体制整備を進めてきた。

 

その他、前回の熊本地震では、支援物資の仕分けを行うマンパワーの不足により、支援物資の配送等に不備があった状況から、「香川県庁業務継続計画」等の見直しを行い、物資拠点における支援物資対応要員の増員を行った。

 

災害に対応できる人材の育成については、派遣で得た経験や気付きを組織全体に波及させることが重要であると考えており、これまで、応援給水活動を行った香川県広域水道企業団の職員による報告会や、避難所における避難者の健康管理等を行った保健師による活動報告会のほか、土木部では、各土木事務所において、経験の伝承に繋がるような講演や発表会を実施した事例も伺っている。

 

の熊本地震時の対応についても、派遣終了後を想定しているが、これまでと同様に、支援活動を通じて得られた経験や気付きを関係職員で共有するために、意見交換会などを行い、活動内容を共有する機会を設けてまいりたいと考えている。

 

(再質問)

派遣した職員から報告を受けたり、その経験を共有したりすることに加えて、職員一人ひとりが実際の災害でどのような業務を経験し、現場で何を感じたのかを、県として蓄積していくことが重要ではないかと考えている。

 

今回、私自身も熊本の被災地に入り、支援者間の情報共有会議に参加した。そこでは、行政や対口支援の職員、支援団体などが集まり、それぞれが現場で把握した状況や課題を持ち寄っていた。 例えば、「これから寒くなるので早めに寒さ対策をした方がよい」といった話や、避難所の環境、個別訪問による被災者の生活状況など、現地にいなければなかなか実感できない情報も共有されていた。

こうしたものは、決められた業務を処理する中だけではなく、被災地でさまざまな関係者と接し、情報交換する中で得られる気づきだと思う。

 

例えば、避難所運営を経験した職員、住宅の被害認定調査を経験した職員、被災自治体との調整に携わった職員では、それぞれ持ち帰る経験も異なる。また、一度経験したからといってその職員が直ちに専門家になるということではないが、実際の災害現場で、その業務や現場の動きを経験したこと自体には大きな意味があると考える。

 

そして、こうした経験を派遣に行った本人の経験で終わらせるのではなく、どの職員が、どの災害で、どのような業務を経験し、そこでどのような課題や気づきを得たのかを一定の形で整理しておけば、次の災害時にも活用できる。

 

今後、別の被災地へ職員を派遣するときの人選や、本県自身が被災した際の職員配置を考える際にも、一つの重要な材料になるのではないか。

 

被災地への職員派遣を一過性の支援で終わらせるのではなく、そこで得られた業務経験と現場での気づきを県の組織として蓄積し、今後の職員派遣、人員配置へと循環させる仕組みを構築してはどうかと考えるが、改めて考えを伺う。

 

(安藤総務部長)

令和8年熊本地震の被災地支援に係る県職員の派遣については、総務省の応急対策職員派遣制度に基づく対口(たいこう)支援として、避難所運営や罹災証明書の交付に必要な住家の被害認定調査等に従事する事務職員等を派遣するとともに、避難所における住民の健康管理を行う保健師チームや被災建築物応急危険度判定士、災害時健康危機管理支援チームなどの専門職員の派遣を行ってきたところである。

 

このうち、本県が支援団体となった熊本県宇土市への派遣については、発災直後の8月1日から1班あたり職員5名を派遣して避難所運営を支援し、今月11日からは、業務を変更して家屋の公費解体申請受付を現在も継続しており、本日時点の延べ派遣人数は75名となっている。また、同市からの追加派遣要請に基づき、8月23日からは、住家の被害認定調査にも1班あたり職員6名を継続して派遣しており、本日時点の延べ派遣人数は60名となっている。

 

なお、この支援にあたっては、都道府県が管内の市町村と一体的に支援を行うものであるため、これらの職員派遣にあたっては、県内市町にも協力をいただいており、本日時点で、避難所運営で延べ15名、住家の被害認定調査で延べ19名を派遣していただいているところである。

こうした被災地への派遣は、被災自治体を支援することはもとより、派遣された職員自身が、実際の被災現場における行政の初動対応や多様な住民ニーズへの対応を肌で体感する貴重な機会であり、災害対応業務のノウハウを有する職員を組織として増やしていく観点からも重要であると考える。

 

そのため、今回の派遣においても、災害対応業務のうち住家の被害認定調査については、建物(不動産)の評価に関する知識を有した職員を基本としつつ、その他の職員も含めた、より多くの職員を派遣して現場経験を積ませるという、災害対応能力を有する人材の裾野を広げることも視野に入れた人選を行ってきたところである。

 

また、先の能登半島地震においては、中長期の支援として、被災自治体に土木職種の職員を派遣しているほか、事務職員についても、庁内公募により意欲のある職員を派遣し、公費解体等災害廃棄物処理事務の支援業務に当たってもらうなど、復旧・復興段階における専門的・実務的な経験の蓄積にも取り組んでいるところである。

 

こうして被災地に派遣された職員は、実際に被災した地域ではどのようなことが起こるのか、どのような住民のニーズがあるのか、行政にはどのような対応が求められるのか等、今後、南海トラフ地震等で本県が被災した場合にも生かせる経験を得ているものと考えている。

 

そのため、今後、派遣職員へのアンケート調査等を通じて、いつ、どこで、どのような災害対応業務に従事したのかだけでなく、今後の被災地派遣や本県が被災した際に生かせる経験談やノウハウについても取りまとめたいと考えている。

 

また、これまではあまり事例はないが、例えば、中長期で被災地に派遣に行った職員について、本人の希望にもよるが、本県に帰ってきた後に、危機管理対応の部局に配属するなど、本人が得たノウハウを、県の危機管理行政に活かすといった取組みについても、今後、できる範囲で取り組んでまいりたいと考えている。

 

(要望)

裾野を広げるように、職員の配置を検討しているということで、ぜひそうした形で広げていって、より多くの職員が被災地での経験を積んだ形で、いざ本県が被災したときに、スムーズに対応できるような災害対応力を構築するようお願いしたい。

 

私も他の自治体の方と現地でお話をお伺いする中で、例えば佐賀県が対口支援の総括支援県として、氷川町に派遣されていたが、持ち帰ることもあるということで、避難所運営では女性の視点が重要であった、避難所では、レイアウトを女性の意見を聞いて決めるようにした方がいい、シャワーとかトイレも導線を分けて、男女別の導線にしたらいい、物資の配布も女性用のものがあるので、分けて配布するようにするとか、そういった声も、自身が被災した時に活用していきたいという話もしていた。 

 

派遣する側としても、特に総括支援県だったからかもしれないが、災害支援の経験に長けている方が、まず最初に8月1日に現地に行き、災害対策本部会議のやり方とか、ホワイトボードに情報を集めるようにするとか、災害対策本部会議にはNPOとかCSOといった実働機関を入れることが重要だということを、アドバイスしながら、作っていったそうである。その会議は町長、副町長連名でやるそうだが、より多くの実働部隊がそこに参加するようになって、上がってきた課題が即座に対応される形で、スムーズに支援につながってうまくいったという話を聞いている。

 

佐賀県、他の自治体もそうだが、現場を経験していないとわからない、というスタンスで人選されているようである。 すなわち、誰もが行った経験をしているようにするという意味で、例えば災害に関する課の方は全員行くようにするとか、そういう形で人選されているようである。その中でも、どの程度蓄積されているかというのも把握している中で、支援に行っているということだった。

 

 

先ほど住家の被害認定についての話もあったが、これは大阪市の自治体職員の方だけれども、やはり全国の職員が駆けつけて、タブレットを使って、誰でも現場ですぐにできるような仕組みになっていたので、その操作を誰でもやってもらえるようにするため、タブレットを使ってできるようにすることが重要だということを、令和6年の能登半島地震の際に感じたようで、防災DXの必要性を認識され、令和7年で予算確保して、システムを準備されたということだった、なので、あとハードだけ揃えれば、いつでもそうした形で受援体制とか、よりスムーズに被害認定できるようにしているという話をした。

 

ぜひ本県でもより多くの方に経験していただいて、それを今後も災害に活かしていただきたいと思っている。

とある職員の方からは、今回こういう災害があって、現地に行って、いろいろな経験をする機会を得られてよかったと、本当に勉強になったというお話をお伺いしたので、本県でもぜひ、そうした機会を通じて、職員の皆様の(災害対応力向上の)スピードアップと構築につなげていただきたい。

 

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