観光県議会質問 2026.03.04

令和8年2月 経済委員会質疑応答状況 観光振興について

 

(質問)

 本県の観光を持続的に発展させていくためには、瀬戸内国際芸術祭などの大規模イベントに加えて、通年で香川の魅力が発信され続ける仕組みづくりが重要だと考えている。

 

近年、観光施策においては、行政主導のプロモーションに加えて、地域住民や県ゆかりの方々、さらには県のファン層による自発的な情報発信を、政策的に後押しする取組みが広がっている。

 

例えば、広島県では「HITひろしま観光大使」という登録制度を設けており、県内外の個人がSNS等で魅力発信を行う仕組みを整えている。同制度の登録者数は3万人を超え、3万1千人以上が観光発信に関わっていると公表されている。

 

このように、多数参加型の仕組みが成立していることは、行政が直接広報を担うだけでなく、ファン層を可視化し、広報力へと転換するモデルが実効性を持ちうることを示している。

 

観光分野では、近年、企業広告よりも、一般利用者による体験発信が信頼されやすい傾向にあるとされている。

多数の参加者が継続的に発信することで、発信量そのものが、資産となり、検索や閲覧機会が増え、持続的な情報流通につながるものと考えている。

 

「私が知っている良いところを紹介したい」とか、「推しスポットを伝えたい」という方に広く登録していただき、「ハッシュタグ香川アンバサダー」として発信していただく制度を創設してはどうかと思っている。多数の参加者による分散的な発信は、特定観光地への集中を緩和し、地域内の消費の裾野の拡大、さらには、観光の分散化によるオーバーツーリズム回避にもつながる。

 

あわせて、この制度は外向きの観光施策であると同時に、県民自らが地域の魅力を再発見する契機ともなり、郷土への誇りや愛着の醸成にも資するのではないかと考えている。

 

そこで、県として、県内外を問わず、本県の魅力を発信したいと考える方々を対象とした観光アンバサダー制度の導入についてどのように考えているか伺う。

 

(西尾交流推進部長)

委員の観光アンバサダー制度の導入に関するご質問にお答えする。

ご指摘の通り、最近では行政とか観光協会、DMOなど主導のプロモーションだけでなく、地域住民や、県にゆかりのある方、また旅行者などにより、個々人が持つSNSなどを通じ、様々な目線や立場で観光情報を発信していただく取り組みが全国でも広がっている。

いわゆる口コミ的なリアルな体験が、他の旅行者の共感も得られやすいなど、一定の成果を上げていると考えている。

 

本県においても、令和5年度から、「魅力発見ハッシュタグキャンペーン」を展開しており、観光客や県民に県内の魅力ある観光スポットを発信してもらい、拡散できるような取組みや、地元大学生や地域おこし協力隊と連携して、SNSの公式アカウントにおいて独自目線での観光情報の発信に取り組んできたところである。

 

アンバサダーという制度は、国際課が所管している「KAGAWAアンバサダー」があり、海外に広く香川を紹介していただけるように、県出身または県にゆかりがあり、主として海外で活躍している方を委嘱しているような制度もある。

最近では、2024年パリオリンピックのレスリング金メダリストである日下尚選手をうどん県観光大使として委嘱をし、高い知名度と発信力を生かした活動というのも行っていただいているところである。

 

質問の中で例示のあった「HITひろしま観光大使」は、広島県観光連盟の主催による広島の情報発信の取り組みの一つとして、一般の個人や団体が自由に観光大使として登録して、広島の魅力をSNSを含めた様々な媒体を通じて情報発信していると伺っている。

 

一方、制度の課題としては、発信内容の正確性によるトラブル発生などのリスクも指摘されているところである。具体的には観光大使が個人として発信する情報というのは、県として公式に確認、管理されているものではなく、例えば、営業時間とか料金、アクセス方法など、事実関係に誤りがあるとか、古い情報も含まれるという場合もあり、観光客の混乱や事業者への問い合わせが増加するといった影響が生じる恐れもある。

 

加えて、SNSを通じた発信は、短期間で広範囲に拡散するというメリットがある反面、一度、そういった情報を拡散してしまうと、その訂正、収束には多大な労力を要することになりかねないと考えている。

 

こういった制度については、広島県をはじめ、他県の事例も参考にしながら、引き続き、調査、研究を進めるとともに、効果的な情報発信のあり方も研究してまいりたいと考えている。

 

(再質問)

県内全域では範囲が広いので、例えば、市町、関係団体と連携が取りやすい地域をモデル地区として、実証的に導入することも考えられる。

一定期間、運用する中で、参加者数とか、発信件数とか、地域ごとの盛り上がり等を整理し、課題や効果を検証した上で、段階的に拡大していく方が、持続可能な制度設計につながるものと考える。

特に、主要観光地以外の地域資源を掘り起こして、回遊性を高める観点からも、アンバサダーの制度が有効な手段となる。県外ファン層も巻き込むことで、外側からの発信力を強化し、本県のブランドの裾野を広げる効果も期待できる。

 

こうしたモデル地区方式による段階的な導入と、この全県の展開も見据えた方法について、県としての考えを伺う。

 

(西尾交流推進部長)

小泉委員の再度のご質問にお答えする。

ご提案の観光アンバサダー制度をいきなり県全体で導入するのではなく、まず特定の地域においてモデル的に試行し、効果や課題を検証した上で、段階的に拡充していくことは、リスクを抑えながら政策の実効性を高めていく上でひとつの合理的なアプローチであるというふうに受けとめている。

 

一方、制度の性質上、特定の地域に限定した形での委嘱や運用が、制度設計として馴染むかどうか、地域間の公平性やバランスをどう確保するか、既存の「KAGAWAアンバサダー」や、「うどん県観光大使」制度との差異をどう整理するかなど、いろいろ解決すべき課題もあると考えている。

 

加えて、モデル地区の選定基準や市町や関係団体との関係性、全県展開に向けた移行のタイミングなど、具体的な制度設計において検討すべき事項が多岐にわたるというふうにも考えている。

 

今回ご提案のあった観光アンバサダー制度は、非常に有用な制度と認識しており、本県の実情とか既存の観光施策との整合性も十分に踏まえ、議会や関係者のご意見なども踏まえながら、効果的な制度のあり方について、幅広く研究して参りたいと考えている。

 

(要望)

コストも、インフルエンサーに頼むと相応の予算が必要であり、少ないコストで始められる効果的な取り組みなので、ぜひご検討いただきたい。

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