防災県議会質問 2026.06.26

217.令和8年 香川県議会総務委員会 質問答弁 災害時における県・市町・防災機関の情報連携体制について


【概要】

本年4月に運用を開始した新防災情報システムについて、大雨時の活用実績を確認した。

また、離島での有事を見据え、島内在住の県職員3名を現地リエゾンとして指名している体制や、2ヶ月に1回実施している定期訓練の状況について確認した。

さらに、能登半島地震や熊本地震の教訓を踏まえ、多額を投じた新システムを「災害関連死」を防ぐためのきめ細かな医療・福祉ニーズの集約に活用するよう要望した。

 


(質問1)

災害対応における情報の収集と共有のあり方について、これまで継続して質問を重ねてきた。

 

昨年10月の決算行政評価特別委員会では、次期防災情報システムの機能強化について伺い、国の新総合防災情報システムとの連携、孤立集落や医療ニーズの情報を市町が入力し県と共有する仕組み、

そして発災直後に市町担当者が入力できない場合には派遣リエゾンが入力できるよう操作研修を行う、との方針をご答弁いただいた。

 

本県の新たな防災情報システムは、本年4月に運用が始まり、2か月余りが経過した。

災害の頻発化・激甚化が進む中、関係機関が同じ情報を共有し、状況認識を一つにできるかどうかが、災害対応の成否を分ける。

 

県、市町、消防、警察、ライフライン事業者などがそれぞれ別々に情報を抱えていては、迅速な連携は望めない。

 

新システムが立ち上がった今だからこそ、その情報連携の仕組みが実際に機能する形で動き始めているかを、確認しておく必要があると考える。

 

また、国は、全ての都道府県に対し、防災システムを国の新総合防災情報システムへ連携させ、昨年12月までに防災デジタルプラットフォームを構築完了するよう求めてきた。

その期限はすでに到来しており、本県の新システムも、この全国共通の枠組みの中に位置づけられるものと承知している。

 

そこで本年4月の運用開始から現在まで、本県の新たな防災情報システムにおいて、県・市町・防災機関の間で被害情報や避難所情報などを共有し、状況認識の統一を図る仕組みは、実際にどのように運用されているのかについてお伺いする。

 

 

(来田危機管理課長)

新防災情報システムは、迅速な応急活動のため被災状況や気象情報を市町と共有し県民へ伝えるものである。

 

本年4月からの新システムでは、国のシステムとの連携に加え、住民のSNS投稿をAI解析しリアルタイムで災害情報を収集する機能や、モバイル端末を用いて現地から建物被害を即時入力し、罹災証明書の発行を迅速化する機能を新たに導入した。

 

実際の運用として、今月2日から3日の台風6号の際、東かがわ市等の4市4町で避難情報が発令された。

開設された55カ所の避難所や避難者(最大14世帯20名)の情報が市町担当者により入力され、新システムを通じて県市町間や国へ共有されたほか、県の防災アプリ等で県民へ迅速に伝達された。

 

昨日からの大雨でも同様に避難情報の伝達等を行った。

今回の災害による影響は限定的で共有情報量は少なかったが、今後も引き続き適切な運用に努めていく。

 

 

(来田危機管理課長との質疑答弁要約)

昨日、6月25日の大雨時、県内約7割の市町で警戒レベル3(高齢者等避難)が発令された。

質疑を通じ、レベル3以上の発令時に本新システムが確実に活用・連動される運用ルールであることを確認した。

 

(要望)

現在は気象庁の(高齢者等避難の)基準もレベル3に統一されており、新システムによって各市町の情報が統一され、国とも即座に共有できる仕組みは非常にわかりやすい。

 

引き続き、各市町がこのシステムを円滑に活用し、防災への取り組みを推進できるよう、県としての連携を要望する。

 

 

(質問2)

昨年のご答弁では、孤立集落や避難の状況といった情報は、まず市町が把握して入力し、県と共有する仕組みであるとのことだった。

 

離島は災害時に往来が制約され、初動対応を島内で完結せざるを得ない。

新システムが本庁同士をつなぐに留まり、離島の現場状況が速やかに反映されなければ効果は半減しかねない。

 

また、昨年は、発災直後に市町担当者が入力できない場合、派遣リエゾンが入力できるよう操作研修を行うとのご答弁もいただいた。

しかし、離島ではリエゾンの到着自体が海上交通の状況に左右され、遅れることが想定される。

 

離島という条件不利地域に固有の事情を踏まえた、確実な情報集約の備えが求められる。

 

まさに今、出水期や台風に直面する中でシステムが確実に機能するのかが問われる。

 

そこで二点お伺いする。

第一に、

運用開始から現在まで、離島の市町や消防、そして発災時に島へ向かう県のリエゾンを含めた形で、新システムを用いた訓練や運用の習熟をどのように進めていくのか。

 

第二に、

こうした訓練は、回数を重ねること自体が目的ではなく、いざという時に県内各所の現場で本当に必要な情報を集約・共有できる習熟度に到達してこそ意味がある。

その達成度を客観的に測り、継続的に改善していくための指標を設けて、習熟度を検証していくお考えはないか、危機管理総局長の見解をお伺いする。

 

 

(稲田危機管理総局長)

フェリーの運休等により、離島に県のリエゾンを派遣できない可能性への懸念に対し、小豆総合事務所の島内在住職員3名を現地リエゾンに指名しており、本土から向かうことが難しい場合は、小豆総合事務所の職員が土庄町や小豆島町へ向かい、役割を担う体制を整えている。

 

新システムの訓練としては、3月と4月に防災担当者向け研修を開催し、土庄町・小豆島町からも5名が参加した。

今年度は2ヶ月に1回程度の継続訓練を計画しており、5月の訓練に両町から3名が参加し、7月の訓練にも土庄町から参加予定である。

引き続き運用の習熟を図る。

 

訓練習熟度を測る指標の設定については、災害時には訓練以上のことはできないと考えており、訓練を愚直に繰り返し行い、習熟度を高めることが重要である。

 

しかし、現時点では指標を設けて検証することまでは考えていない。

一方で、訓練時には市町担当者の入力内容を県が一つずつ確認してチェックシートに記録し、指摘事項を他市町とも共有し着実な習熟度向上に努めている。

 

引き続きすべての市町が迅速・正確に入力を行い、システムを有効活用できるよう、繰り返し訓練を行い情報収集力の向上に努めていく。

 

 

(稲田危機管理総局長との質疑答弁要約)

質疑を通して、今年度実施される2ヶ月に1回の訓練は全市町が対象であることを確認した。

全市町でマンパワーが不足しているのが現状と思うが、きめ細かな災害情報の収集と入力が重要となる。

 

離島リエゾンの体制について、小豆総合事務所の土木以外の課から3名を柔軟に指名している背景が明かされた。

 

また、5月の総合防災情報システム訓練には、指名されている全体で二十数名中約7割のリエゾンが出席し、懸念された島内在住の3名については全員が出席して習熟を図っている実態を確認した。

 

(要望)

災害時の市町へのサポートの成否は、派遣リエゾンが知識を習得しているかにかかっている。

他業務で多忙とは存ずるが、リエゾンの訓練出席率100%を目指すよう求める。

 

多額の費用を投じて導入された新システムは、手動操作の手間を省き、被災状況の全体像を俯瞰的かつ迅速に把握するためにある。

 

災害における最大の課題は、避難生活の中で発生する「災害関連死」の防止である。

 

令和6年元日の能登半島地震では、直接死に対してその後の避難生活等で亡くなった方の認定が続いており、支援がスムーズにいけば救えるはずの命が失われている。

 

熊本地震でも犠牲者の8割が災害関連死であった。

災害関連死に至った大半は高齢者であり、その死因の6割が呼吸器・循環器疾患という状であった。

 

これは、持病や医療福祉ケアのニーズをいち早く把握して支援を届けられるかが生死を分けることを意味している。

 

孤立集落等における要配慮者の情報を市町と連携して迅速に共有することこそが、このシステム本来の使命である。

 

システムを実効的に機能させてこそ、投じた費用が「県民の命」となって返ってくると思っている。

 

引き続き訓練の際に、こうしたきめ細かなケアやニーズも踏まえた上で、各市町と連携して迅速・正確な情報入力ができるよう努めていただくことを要望する。

 

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