【概要】
災害時の多様なニーズを繋ぐ中間支援組織の実効性強化に向け、被災地派遣による職員のOJT(実務訓練)の必要性や予算の確保、危機管理課との連携を提言。関連死を防ぐきめ細かな体制構築について県の今後の方向性を確認し、要望した。
(質問1)
近年、能登半島地震をはじめ、全国各地で地震や豪雨災害が頻発しており、災害対応の重要性はますます高まっている。
災害発生時には、行政や社会福祉協議会だけでは対応しきれない多様な支援ニーズが生じる。
避難所運営の支援、在宅避難者への支援、高齢者や障害者など要配慮者への支援、炊き出しや物資支援など、その内容は多岐にわたる。
こうした中、行政、社会福祉協議会、NPO、ボランティア団体、企業など、
多様な主体をつなぎ、被災地のニーズと支援を調整する役割を担う「災害中間支援組織」の重要性が全国的に認識されている。
本県においても、災害中間支援組織の構築に向けて、県内の関係団体とのネットワークづくりや協力団体の募集、ホームページの開設などの取り組みが進められていると承知している。
また、県の災害中間支援組織では、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が主催する研修会や防災推進国民大会への参加などを通じて、全国の先進事例について学ばれているとも伺っている。
災害時に円滑な連携を図るためには、平時から顔の見える関係を築き、それぞれの団体がどのような支援を行うことができるのかを把握しておくことが重要である。
そこでまず、本県における災害中間支援組織の現在の取り組み状況について、具体的には、県内の協力団体との関係づくりや情報共有、人材育成など、平時からどのような取り組みを進めているのかについてお伺いする。
(大野男女参画県民活動課長)
香川県は、大規模災害時のボランティア受け入れ・マッチングを担うため、
昨年7月に県、県社協、香川大学、日赤県支部の4者で災害中間支援組織を設立した。
事務局である県は、専用ウェブサイトの開設や協力団体との連携強化を進めており、今年度は合同意見交換会や出前研修を通じて平時からの「顔の見える関係」を構築し、発災時の円滑な機能を目指している。
(質問2)
平時からの関係構築は発災時の連携基盤として重要であると考えている。一方で、全国の災害中間支援組織には、協定等の締結にとどまり有事の際に機能しない事例も指摘されている。
北海道や長野県では、専従事務局や災害支援コーディネーターの育成を推進し、現場で実動できる体制づくりを進めている。
災害時には在宅避難者や要配慮者への対応、各団体との調整など多岐にわたる現場対応が求められる。
単なる会議体の設置にとどまらず、有事に現場で活動できる実動体制を平時から育成していくことが重要ではないかと考える。
そこで県として、現在進めている災害中間支援組織の構築について、将来的には専従事務局や災害支援コーディネーターの育成も含めた、より実効性の高い体制づくりを目指していく考えはあるのか。
また、その実現に向けて、今後どのような方向性で取り組みを進めていくのかについての考えをお伺いする。
(尾崎政策部長)
昨年設立した本県の中間支援組織は、初年度として関係構築や協力団体の把握に注力してきた。
現時点では専従事務局やコーディネーターの育成には至っていない。
しかし本組織は、県、県社協、香川大学、日赤県支部の4者が、互いの専門知見や支援経験等の強みを補い合う体制となっている。
今後の方向性として、まずは協力団体との関係づくりを確実に推進する。
その上で、指摘のあった北海道や長野県など他県の先進事例を参考にし、本県の実情に適した事務局のあり方や人材育成について検討を重ねていく。
災害対応に現状維持はない。
常に体制をアップデートする認識を持ち、実効性の高い体制づくりを意識していく。
(質問3)
近年、災害が激甚化しており、線状降水帯による豪雨が多発し、南海トラフ地震の発生も指摘されている。
発災時に迅速かつ幅広く対応するためにも、災害中間支援組織の実効性を高めることが不可欠である。
そのためにも、全国で発生する様々な災害現場へ現体制のままでも職員を派遣し、短期間であってもOJT(On-the-Job Training:実務訓練)として現場経験を積むことによって、本県での災害対応の実効性につなげるべきではないか。
そこで、OJTの必要性について部長の見解をお伺いする。
(尾崎政策部長)
本県では能登半島地震などの被災地へ職員を派遣してきたが、現場を知る職員が増えることは本県もとっても重要である。
災害中間支援組織が役割を果たすためにも、被災地派遣によるOJTの必要性についてはしっかりと検討していく。
(質問4、要望)
他県では、複数人体制で被災地へ派遣し現場経験からスキルアップを図る事例がある。
情報が錯綜するなかで的確に動くには現場経験こそが重要であり、本県でもOJTへの人員配置を求める。
また、実効性ある人員配置や継続的な知見の蓄積など、真に実動できる組織とするには一定の予算確保が不可欠である。
十分な予算措置を伴わずに研修やネットワーク構築を進めても持続的な強化は難しい。
そこで、今後の持続的な運営に向けて想定する予算規模や、実効性ある体制づくりに対する部長の熱意と見解をお伺いする。
また、実際に事務局は何名体制で運営されているのかお伺いする。
(尾崎政策部長)
重要組織との認識のもと予算は増額している。
今年度の取り組みを検証し、秋以降の予算編成に向けて関係者の意見を聴取しながら、必要な予算規模を精査し確保に努めていく。
(大野課長)
現在、男女参画県民活動課において、課長を含め計3名体制で本組織のメイン業務に対応している。
(質問5)
災害時には道路啓開や土砂・災害廃棄物処理などハード面への対応も必要となる。
本県の中間支援組織の担当は男女参画県民活動課であるが、対応スピードを上げるには危機管理課とのワンストップな連携が不可欠である。
専門家からも連携の緊密さが迅速な対応に直結すると指摘されている。
そこで、危機管理課と災害中間支援組織との連携ついて見解をお伺いする。
(尾崎政策部長)
災害中間支援組織の立ち上げ時には危機管理課と協議を重ねており、発災時に設置される災害対策本部に男女参画県民活動課が位置づけられる体制となっている。
これにより、本組織は発災の最前線で情報を把握することが可能である。
(要望)
災害対策本部と中間支援組織の拠点が離れている場合でも、情報共有を円滑にするため、フロアの近接化や危機管理課からのリエゾン派遣などの工夫が必要である。
日々変化する発災時の現場では、それぞれの組織が持つ異なる視野の情報を毎日すり合わせることが極めて重要となる。
今後はこうした視点も踏まえ、危機管理課との緊密な連携を想定した訓練の実施を要望する。

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