(質問)
本県には、讃岐うどんやオリーブをはじめ、全国に知られた地場産業が数多くある。
その多くは地域の風土と歴史に根ざし、長い年月をかけて磨かれてきたものであり、本県の経済と文化を支える基盤である。
その姿が凝縮された地域の一つが、小豆島である。
醤油、佃煮、そうめん、オリーブ、そして水産物まで、多彩な地場産業が一つの島に集積する、本県でも特色ある地域である。
これらの産業には、確かな成長の芽がある。
島には二十軒を超える醤油蔵があり、全国でも数少なくなった木桶仕込みの大半を担う産地を形づくっている。
中には、蔵を訪れる外国人観光客に仕込みの様子を見学いただいたことを糸口に、米国や欧州など十か国以上へ販路を広げた蔵もある。
オリーブもまた、国際的な品評会で金賞を重ね、世界のガイドブックに掲載される生産者が複数現れている。
水産でも、一年を通して出荷できる新たな牡蠣のブランドが立ち上がり、都市部の高級店や万博への出店にまでこぎ着けた。
このように、香川県が誇る地場産業は国中や世界中に大きく羽ばたく可能性を秘めている。
しかし、その足元は揺らいでいる。
最も深刻なのは、担い手の不足と事業の継承である。
島の手延べそうめんを支える組合の組合員数は、最も多かった頃の260を超える数から、近年は73となり、半世紀でほぼ4分の1にまで減っている。
需要は今なお旺盛でありながら、つくり手の高齢化と後継者不足で生産が追いつかず、このままでは島が誇る銘品を十分に供給できなくなりかねない。
そして、優れたものをつくる力はあっても、それを売り、広める力が足りないという共通の課題がある。
新たな牡蠣のブランドに挑む島の漁協自身が、自分たちは海と生きるプロではあっても、商品を売りブランドを育てるプロではないと率率に語り、外部の知恵を求めていると聞く。
これは地方の地場産業全体を貫く、切実な現実である。
加えて、こうした産業を担うのは、その多くが中小・零細の事業者であり、
単独で海外販路を切り拓き、付加価値を高めるだけの体力や専門人材を持ち合わせていない。
また、人員の限られた離島の小規模な町が、これを下支えするにも限界がある。
手をこまねいていれば、香川が長い歳月をかけて培ってきた地場産業は、その担い手とともに細っていきかねない。
このような状況の中、国は昨年度、地方が持つ伸び代を活かし、国民の暮らしと安全を守るため、地域ごとの産業クラスターを全国各地に形成し、世界をリードする技術・ビジネスを創出するとともに、地場産業の付加価値向上と販路開拓を強力に支援することを目的として、内閣官房に地域未来戦略本部を設置したところである。
具体的には、国や県、市町村がそれぞれに、地域産業振興のための計画を作成し、国は、その計画に沿う事業に対し、交付金の優先採択などによる支援を行うとしている。
この追い風を本県の地場産業の発展に確実につなげていかなくてはならない。
そのためには、例えば、小豆島では、オリーブや醤油などの発酵食品といった地場産業の発展に向け、小豆オリーブ研究所や発酵食品研究所などの施設を持つ県と、地元企業との関係が深い町が、それぞれのリソースとアイデアを持ち寄って連携し、国の支援を活用した事業の実施も想定しながら、各計画を作成するなど、県内一体となって、進めていく必要がある。
そこで、小豆島をはじめとする県内の地場産業の発展のため、国の地域未来戦略につながる県の取組みの現状、及び、市町との連携の方針についてお伺いする。
(知事答弁)
国の地域未来戦略では、国が策定する「戦略産業クラスター計画」と、地方が策定する「地域産業クラスター計画」及び「地場産業成長プラン」に基づき、成長分野等に対する投資の促進や、地場産業の付加価値向上と販路開拓等を支援することとされている。
このうち、主に市町が主体となって策定する「地場産業成長プラン」は、地方の伸びとなり得る農林水産物・食品、観光等について、付加価値向上と販路開拓等を図ることにより、地域経済の拡大を目指すものである。
現在、各市町において、プランの対象とする地場産業の選定や、支援内容などの検討を進めているところである。
各地域の地場産業は、担い手不足などの課題はあるものの、今なお、地域経済をけん引する大きな力になっていると考えている。今後、さらに付加価値を高め、販路拡大を図っていくことは重要であり、まさにこうしたプランの趣旨に沿った取組みが求められている。
お尋ねの小豆島におけるオリーブや醤油などの地場産品の付加価値向上と販路開拓等については、これまでも、県では、試験研究機関等において、農産物の栽培や水産物の養殖等に関する技術指導、発酵食品等の品質改善のための成分分析や助言を行い、新商品開発などにつながる支援を行ってきた。
また、小豆島町をはじめ、県内市町やかがわ産業支援財団等と連携した国内最大規模の食品商談展示会へのブース出展など、販路開拓に向けたマッチング機会の提供、「ワークサポートかがわ」による人材確保の支援にも取り組んできたところである。
県としては、市町の意向を踏まえて、地場産業成長プランの策定を支援するとともに、プランの推進に向けて、県が培ってきたノウハウ等を積極的に提供することにより、市町や関係企業の取組みを後押しし、地場産業の一層の発展につなげていく。

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