
(質問)
不登校児童生徒は、約36万人と10年連続で増加しており、過去最多となっている。
90日以上の不登校であるにもかかわらず、学校内外の専門機関等で相談支援を受けていない小・中学生が5万9,230人と、憂慮すべき状況となっている。
こうした状況において、令和5年3月、文部科学省は、「誰1人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」にて、様々な事情で学校に行っていない、行けない子供たちを関係機関とも連携して支援することを示した。
令和5年10月には、総理大臣から不登校等の緊急対策を経済対策にも盛り込むよう指示があり、「不登校いじめ緊急対策パッケージ」を取りまとめて、不安や悩みを相談できない子供たちがいるので、そうした子供たちのSOSを受け止め、子供たちに徹底的に寄り添っていくとして、COCOLOプランの取組みを前倒しで実施している。
こうした状況で、不登校の児童生徒すべての学びの場を保障、確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整えるとして、学びの多様化、学校内教育センターの設置、教育支援センターの整備、関係機関との連携などの取組みが、本県においても実施されてきたと理解している。
COCOLOプランでは、学校に来ているかどうかを問わず、児童生徒すべての学びの場を保障することが謳われている。
義務教育段階で不登校を経験したとしても、学びの場が保障されているからこそ、不登校の経験が本人にとって不利にならないように、学業に取り組む機会が与えられており、それが保障されることがCOCOLOプランの趣旨であると思われる。
他方で、せっかく保障された学びの場で良い成績を収めたとしても、高校入試の際に、児童生徒が学校に来ているかどうかを明示する欠席日数が評価の対象に含まれると、不登校を経験したことが進学に不利に働いてしまう。
学びの場を保障し、そこで良い成績を収めたとしても、進路において不利に取り扱われる状況では、「誰1人取り残されない学びの保障」という意義が損なわれると思うが、それについて、教育長の考えを伺う。
(教育長)
公立高校入試の入学者の選抜については、提出された調査書その他必要な書類、学力検査の成績、適性検査の成績、そして、面接の結果を資料とし、各高校の教育を受ける能力・適性等を総合的に判定して選抜を行っている。
教育委員会では、不登校の生徒の公的機関や校長等が適切と判断した民間施設における活動等についても、中学校長が指導要録上出席扱いとするとともに、その成果を評価に反映できる旨をしっかりと周知しており、各中学校において、適切に評価した内容が調査書に記載され、進路において不利な取扱いがされているとは考えていない。
(再質問)
進路において、欠席日数の記載が不利なものとして働いていないということで間違いないか。仮に成績は良かったとして、欠席日数の記載がある状況で、それが不利に働かないというのであれば、そこに欠席日数欄を残しておくメリットは何かあるのか。
(教育長)
選抜の方法として、様々な要素を総合的に判定しており、メリットというよりも、出席の状況も含めて中学生時代の生徒の状況を表すものであるので、それも含めて総合的に判断するということである。
(再質問)
欠席日数欄があることで、不利に扱われないというメッセージが、なかなか各児童生徒に行き届いていない。
実際に、それがあるから、「(学校に)行かないといけない」というプレッシャーを感じ、より行けなくなるケースがあり、精神的な負担を招くリスクがあると聞いている。
欠席日数欄に加えるかどうかについては、民間のフリースクールなどに通っている場合に、それを出席と認める方法で中学校が連携しているケースがあると思う。しかし、連携しているかどうかは、中学校によってまちまちであると思うので、欠席日数欄があることで、総合的に判断するとはいえ、学校によっては、不登校児が民間の機関で学んだことが出席日数につながるけれど、連携していない場合は出席にカウントされない。
支援を受けられる民間機関と連携していたために出席日数にカウントされるケースと、そうでないために出席にならず欠席になる状況が生まれると思う。この点についてはどのように考えるのか。
(教育長)
各中学校において適切に評価した内容が調査書に記載されているという認識である。
(再質問)
他の県では、欠席日数欄を廃止している事例があり、例えば広島県教育委員会では、令和5年度の入学者選抜において新たに欠席日数欄を廃止して入試を実施した。
その成果と課題をまとめており、その中で、調査書に記載する内容を学習の記録のみにし、欠席日数の記載や教員の所見欄を削除するなど、簡素化を行ったことにより、選抜の透明性と客観性を高めることができたとされている。特に、中学校の途中まで成績が不振であった生徒や、様々な理由で欠席日数が多かった生徒にとっては、こうした取扱いの改善により、学習等に対する意欲や成果を適切に評価することで進路実現を支援する一助になったと考えられるという成果が記載されていた。
また、調査書の作成に係る中学校教員の負担軽減により、教員が生徒に向き合う時間の確保に繋げることができた。さらに、調査書に欠席日数を記載しないことを理由に公立を受検した生徒もいたという成果も書かれている。
総合的に欠席日数欄を設けて評価することが良いのか、もしくは欠席日数欄を廃止することで、学校側の負担軽減になるほか、何らかの理由で学校に行けなかった時期があっても、その後、本人の取組みがしっかりと評価されるという取組みについて、どのように考えているか。
(教育長)
合否の判定の基本的な考え方としては、やはり、学力の判定結果と適性検査の結果、そして調査書の中の学習の記録以外の記載事項、あるいは面接の結果を総合的に考慮して、入学定員の範囲内で合格を決定するという基本的な考え方である。
入学者選抜における出欠状況については、中学生時代の生徒の状況を表すものであるため、公立高校の入学者選抜において、今すぐに出欠の欄を削除することは、現時点で考えていないが、毎年度、入学者選抜の実施細目というものを定めているので、それを定める過程で調査書の記載事項に関する協議を毎年しっかりと行っていく方針である。
(要望)
岐阜県も2025年度の公立高校入試から、千葉県でも2025年度の公立高校入試から、欠席日数欄の廃止を始めるとしている。今、オンライン学習や家庭学習でも学力を身につけることが可能になっており、先ほどお話ししたCOCOLOプランでも、多様な学び方を尊重するというコンセプトが掲げられている。
昔は出席重視だったかもしれないが、多様な学びの場を保障することにより、生徒の進路の実現を支えていきたいと思っている。
そのため、ぜひそうした検討をお願いしたい。
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