
(質問)
近年、いじめの重大事態の発生件数、不登校児童生徒数、児童生徒の自殺者数などが増加傾向にあって、また、不登校が長期化しているにもかかわらず、学校内外の専門機関などで相談支援を受けていない小中学生が、11.4万人と過去最多となっており、困難を抱える児童生徒への支援体制の充実が課題となっている。
また、社会問題化している、昨今の児童虐待児相談件数、相談対応件数の急増などを踏まえて、学校における児童虐待の未然防止早期発見や、児童虐待発生時の迅速、的確な対応に向けた、相談体制の充実も喫緊の課題となっている。
こうした問題に幅広い視点から対応できるのが、スクールソーシャルワーカーであり、家庭や学校、友人、地域といった児童生徒を取り巻く環境への働きかけによって、問題の解決を目指す専門職である。
令和6年度、文部科学省及びこども家庭庁は、スクールソーシャルワーカーの配置を前年度の9000校から、今年度1万校へと拡充しており、課題の早期発見や支援のための教育相談支援体制を充実させている。
そこで、まず本県における各市町のスクールソーシャルワーカーの配置状況と、それに対する県の支援について伺う。
(義務教育課長)
小中学校におけるスクールソーシャルワーカーについては、各市町教育委員会において雇用配置を行っており、本年度は前年度から3名増の15市町で58名が配置されている。
子供の取り巻く環境が多様化複雑化し、とりわけ福祉分野と関係の深い支援が求められている中、スクールソーシャルワーカーが果たす役割はますます大きくなっている。
県教育委員会では、その重要性を踏まえ、毎年配置のための予算を拡充し、スクールソーシャルワーカーを配置する高松市を除く各市町に補助をしている。この予算を前年度から約100万円増加させるなど、支援の充実に努めているところである。
(質問)
現場の声を聞くと、 スクールソーシャルワーカーが何をしてくれるのか、十分に理解されていないケースがあると伺っている。
文部科学省の令和4年度のスクールソーシャルワーカー活用事業実践事例集においても、スクールソーシャルワーカーに関する理解を深めてもらう必要がある、スクールソーシャルワーカーを十分に活用しきれておらず、支援が十分に行えない体制である、また、学校において、スクールソーシャルワーカーの役割や活用方法についての研修や周知が十分に行えていない現状がある、スクールソーシャルワーカーの職務や役割、活用方法など、県内の全学校に対する周知への取り組み不足、また、周知は進んでいるが、派遣の要請の判断は、学校の判断によって差があるという結果が出ている。
そういったスクールソーシャルワーカーの活用事業の周知に関する課題があるという状況である。
さらに、スクールソーシャルワーカーの質の向上も課題とされている。
経験年数の浅いソーシャルワーカーも増加しており、各種団体と連携したソーシャルワーカーの育成確保、そしてスクールソーシャルワーカーの資質向上に向けた研修会などの開催が必要である、また、研修に参加するスクールソーシャルワーカーが固定化されていて、スクールソーシャルワーカー全体の資質向上に向けた取り組みを検討する必要があるとされている。
スクールソーシャルワーカーの予算の拡充に関しても課題がある。スクールソーシャルワーカーの雇用形態については、会計年度職員として採用になった場合、短時間そして単発の関わりとなってしまい、継続的に地域と関わったり、信頼関係を築くのが難しくなると聞いている。
また、同事例集では、勤務形態、勤務日の違いによって、学校、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー間の情報共有と、実際の対応とにタイムラグが生じる、また、派遣される日数時間数が少なくて、相談や支援に十分な時間が、必要な時間が十分に取れていない、また、個別ケースへの対応だけでなくて、学校内外の教育相談体制の充実に向けたシステムづくりが必要である、そして、スクールソーシャルワーカーの雇用体制が不安定であり、安定した支援に結びつけるために、雇用体制の検討が必要であるといった課題が抽出されている。
これらの解決に向けた取り組みとして、実際に各都道府県の事例としては、保護者用学校用にスクールソーシャルワーカーの活用に向けたリーフレットを作成して配布しているケースがある。また、関係機関による支援が必要と考えられるケースを、把握した際に対応できるように、派遣申請によらないアウトリーチ型の派遣を行えるようにしたという事例もある。
これらの課題や事例を踏まえて、本県では、今後どのような取り組みをされるのかについて伺う。
(教育長)
学校現場でのスクールソーシャルワーカーの有効な活用支援を図るため、県のスクールソーシャルワーカーを1名、学校支援アドバイザーを2名委嘱しており、県内小中学校あるいは市町教育委員会の要請に応じて派遣し、学校現場に対して指導助言を行っている。
また、不登校児童支援という観点で取りまとめた手引きを今年の6月に作成し、スクールソーシャルワーカーを学校の専門スタッフの核として位置付けており、地域のネットワークも活用する中で、関係機関との連携調整や支援チームづくりに向けた支援について示しているところであり、スクールソーシャルワーカーの活用の方法なども含めて、県内小中学校すべての教職員に配布し周知を行っている。
また、課題のもう1点、資質の向上を図るということも重要であると考えており、月例研修会を開催して喫緊の教育課題や事例について協議し、資質向上に努めているているほか、各学校の教育相談担当教員とスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーが参加する「チーム学校連絡協議会」というものがあり、チームとしての連携を強化することで、スクールソーシャルワーカーが効果的に活動できるような取り組みを進めている。
スクールソーシャルワーカーの雇用については、福祉の専門家であるので、市町が主体となって配置を進めてきている。これに対して国あるいは県が、財政的な支援を行っている。
今後も、福祉分野をはじめ、それぞれの地域の事情に精通した人材が職務を行うことが有効であると考えている。国に対して、補助率の引き上げも含め予算の充実ができるように、そして、市町がスクールソーシャルワーカーの配置を促進できるように努めていきたいと考えている。
(要望)
スクールソーシャルワーカーが有効活用できるように、各小中学校に浸透するよう周知してほしい。
また、補助率の引き上げに関して国に強く要望し、児童生徒が安心して学校に来れるような体制を整えてほしい。
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