
(質問)
国の「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小中学校における不登校児童生徒数は、小学校34万6480人、前年度29万9048人であり、前年度から4万7434人、15.9%増加しており、このうち、半数以上が90日以上の欠席となっている。
このように、不登校児童生徒数及び長期欠席者数が増加している中、さらなる取組みが必要であると考える。
「不登校児童生徒支援の手引き」によると、不登校児童生徒数を新規数と継続数に分けた上で毎年の推移を見ると、不登校のうちの何人かは、不登校状態を解消しており、不登校状態を解消していない継続事案、つまり、欠席が続いている児童生徒を対象に、社会的自立を目指した多面的な支援を進めることが重要とされている。
こうした場合、学校では抱えきれない事案も多くあることから、フリースクール等関係団体等と連携し、多様な学びの場を確保していくことが重要ではないかと考える。
県教育委員会では、令和3年度から、不登校支援ネットワーク事業を実施し、県内の実態把握に努めてきたと思うが、まずはその事業の成果について伺うとともに、これまでフリースクール等関係団体等と連携を図るため、どのような取組みを実践してきたのかについて伺う。
(義務教育課長)
県教育委員会では、令和3年度から不登校支援ネットワーク事業を開始し、委嘱を受けた不登校支援コーディネーターが、令和3年度から5年度にかけて、県内各市町の適応指導教室やフリースクールなどの関係機関を巡回訪問し、不登校児童生徒を支援するために必要な課題やニーズなどを把握するとともに、施設の規模や支援に対する理念、用意されているプログラム等を聞き取り、実態調査を行ってきた。
実態調査を進める中で、コーディネーターは、共有すべき情報を各機関に伝えたり、支援機関相互の連携がとれるようつないだりするなど調整を行い、不登校児童生徒のセーフティーネット構築に向けたネットワークづくりが進み、昨年度には、学校関係者に加え、保護者やフリースクール等民間支援団体関係者、学識経験者、福祉行政関係機関等で構成する「香川県不登校児童生徒支援協議会」を設置し、関係機関が不登校支援の方向性を協議・連携する体制の整備につなげているところである。
不登校児童生徒支援協議会では、それぞれの段階に応じた関係機関の支援の内容を「不登校児童生徒支援の手引き」としてまとめ、本年6月に県内の小中学校の全教職員に配付した。
今後も、この協議会における議論を踏まえ、関係機関等とも連携を図りながら、不登校児童生徒への支援を充実してまいりたい。
なお、この「不登校児童生徒支援の手引き」では、県内のフリースクールの情報やフリースクール等での活動も念頭に置いた学校外での活動について、指導要録上の出席扱いにするための要件等を掲載しているところであり、今後とも県教育委員会として必要な支援を図ってまいりたい。
(再質問)
これまで、県教育委員会では、不登校児童生徒支援協議会等での議論など、様々な取組みを進めてきたことは分かった。
しかしながら、学校関係者や関係団体等と意見交換する中で、不登校に対する考え方や、不登校に対する支援方策について、十分に周知できていないのではないかと懸念している。
例えば、先ほど述べたように、長期欠席となっている児童生徒には、関係団体と連携して、本人に寄り添った支援をする旨が、手引きに記載されているが、民間施設、団体等のフリースクールによる支援を学校の出席として扱うことに抵抗があるケースが見られる。
また、教育支援センターのことを保護者に案内できておらず、その存在が、教育現場で認知されていないことも考えられる。
校内教育支援センターにおいても、名称が同じで、県と国のメニューがそれぞれあることなど、多様な関係団体及び支援メニュー、そして、それらの活用方法を網羅的に把握しやすくする必要があると考えられる。
その他、不登校の生徒を持つ保護者から、不登校であることで、高校受験に影響が出ないだろうかという心配の声も聞いた。不登校の時期が休養であったり、自分を見つめ直すなどの積極的な意味を持ったりすることがあることからも、不登校であることをもって高校受験で不利益な取り扱いがなされないようにしていくことも重要であると考える。
さらには、不登校の責任を当事者や、親の考え方に求めがちで、現場で高圧的に押さえつけるような事例もある。手引きに記載されているように、不登校は、要因や背景が多様化・複雑化しており、児童生徒の社会的自立につなげていくためには、関係機関等が一体となって取り組んでいくことが不可欠である。
そこで、県教育委員会として、県民や保護者、各市町教育委員会等に対して、より一層、不登校に対する考え方や支援方策について周知・発信を図っていくべきではないかと考えるが県教育委員会の見解を伺う。
(教育長)
不登校は、その要因や背景が多様化・複雑化しており、学校だけでは対応が困難な場合も生じていることから、学級担任が一人で抱え込むことなく、学校・家庭・地域・関係機関等が一体となって取り組んでいくことが不可欠であると考えている。
県教育委員会では、まずは、学校の教職員の理解向上を図るため、先ほど申し上げた「不登校児童生徒支援の手引き」を県内小中学校の全教職員に配付するとともに、各学校において積極的に活用できるよう、手引きを活用した研修を実施し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等専門スタッフにも、研修会等を通じた活用についても働きかけているところである。
しかしながら、先月、開催した不登校児童生徒支援協議会では、不登校に対する教職員の意識が高まっている一方で、不登校児童生徒への支援が十分に行き届いていないこと、不登校児童生徒支援に関する理解の促進について、関係者でより一層共有していく必要があること、などに関する意見が出されたところである。
このため、県教育委員会では、不登校児童生徒支援に対する考え方や県教育委員会の各種施策、あるいは、国の補助メニューの活用や関係機関等の情報など、県民や保護者、市町教育委員会等に対して、更なる情報の周知や発信をしていくための方策について、検討を進めているところである。
また、公立高校の入学者選抜においては、文部科学省からも、高等学校入学者選抜について多様化が進む中、高等学校で学ぶ意欲や能力を有し、不登校経験のある生徒について、その努力を適切に評価することや、在籍する学校における出席の状況のみをもって不利益な取扱いをしないようにすることが望まれる旨、示されている。
このため、各高校に対しては、提出された調査書その他必要な書類、学力検査の成績、適性検査の成績及び面接の結果を資料とし、各高校の教育を受ける能力・適性等を総合的に判定して入学者の選抜を行うよう、校長会等を通じて求めているところであり、引き続き、周知徹底を図ってまいりたい。
(再質問)
出席状況のみをもって不利益扱いをしないということが書かれており、総合的に判定されているということが分かった。総合的な判定には出席状況も含まれるのか。
(高校教育課長)
総合的に判定を行うという中に、出席状況等も含まれるのかということであるが、基本的には、中学校から出された資料や当日の学力検査の結果をもって合否を判定していると理解している。
(要望)
中学校から出された内申について、出席状況が影響するかどうかを懸念しており、プレッシャーになっている方もいる。自治体ごとに、学力テストの配分を大きくするような調整をしているところもあると聞いている。
長期欠席している児童生徒が、各関係機関等と連携した多様な支援を受けることができるよう取組みを推進してほしい。
また、中学校が作成する内申書について、不登校等により長期欠席している児童生徒が、高校進学や進路を選択する際に、大きな不利益等を被ることのないよう配慮をしてほしい。
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