
(質問)
2021年に閣議決定された「成育医療等基本方針」ではプレコンセプションケアの体制整備が明記され、2022年には性と健康の相談センター事業を開始し全国に相談窓口を設置するなど、国も推進を強化している。
未婚者・既婚者のいずれにおいても、平均して2人程度のこどもを持ちたいとの希望がある一方、平均初婚年齢や初産年齢が上昇しており、厚生労働省の統計によると、2023年の第一子出産時の母親の平均年齢は31.0歳と高齢化が進んでいる。
高齢での妊娠・出産は、妊娠合併症、つまり妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった不妊のリスクが高まるため、若いうちからの健康管理が重要視されるようになっている。
また、不妊に悩むカップルが増えていて、生理不順を放置していた、無理なダイエットで無月経になったなど、誤った知識による行動が原因となるケースも含め、日本では、夫婦の約4.4組に1組が、不妊治療を受けている。
こうした中、2022年から不妊治療の保険適用が始まったが、治療以前に妊娠しやすい体づくりを行うことが重要とされ、プレコンセプションケアが注目されている。
妊娠前の健康状態が胎児や赤ちゃんの健康にも大きな影響を与える。母親の栄養状態や生活習慣をケアすることで、低出生体重児や先天異常のリスクを低減することがわかっている。
若年世代、特に10代においては、男女ともに性や妊娠に関する基礎的な知識が欠けている部分もあり、予期せぬ妊娠や性感染症へと繋がる懸念もある。また、やせ過ぎの女性は、月経異常やホルモンバランスの乱れ、不妊のリスクが高まるとされており、適切な栄養摂取の重要性等が指摘されている。
厚生労働省の人口動態統計速報値では、2024年に生まれた子どもの数は72万988人と9年連続で減少し、過去最小となった。2023年度の人工中絶件数は12万6,734件となり、これは2024年度の件数が未公表なので同年比ではないが、比較すると、妊娠した5.6人に1人が、望まない妊娠を回避するという女性にとって当たり前の権利が侵害されていることになり、中絶を繰り返すことで、不妊症にも繋がる。
少子化対策としてだけではなく、一人一人が正しい知識を持つことで、自己決定権を保障することにもなる。
こうした状況で、不妊、予期せぬ妊娠、性感染症等への適切な相談支援や、妊娠・出産、産後の健康管理に関する支援を行うため、男女ともに性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、健康管理を行うよう促すための、プレコンセプションケアの推進について、本県の取組みを伺う。
(田中子ども家庭課長)
プレコンセプションケアとは、若いうちから男女ともに将来の妊娠等も意識し、自分の心身の健康管理を行うことを指している。
昨年度に、香川県の高校3年生男女に『将来、子どもを持ちたいか?』と尋ねた調査では、「持ちたい」「どちらかといえば持ちたい」と答えた生徒が70.6%であった。これは、全国平均の58.6%と比較して高い状況にある。このような若い世代の希望を叶える「子育て県かがわ」の実現に向けた取組みとして、プレコンセプションケアの推進は重要であると認識している。
県におけるプレコンセプションケアの取組みについては、これまでも、大学生等を対象に助産師による出前講座を実施してきたが、早い段階から正しい知識を得て健康的な生活を送ることは、将来の健やかな妊娠や出産の実現に資すると考えられることから、昨年度から、助産師等によるライフデザイン講座を、希望する高校で実施している。
講座の内容としては、結婚をする・しない、また、子どもを持つ・持たないなどは、個人の自由な選択によるものであり、多様な生き方があることを前提とした上で、子どもを持つライフスタイルを考える際に必要な基礎知識や、予期せぬ妊娠をした場合、DVの被害を受けた場合の相談窓口等について周知している。
特に、将来の妊娠に備えて、妊孕力つまり妊娠をする力であるが、これは男女ともに年齢が上がるにつれて妊娠しにくくなることや、性感染症は不妊の原因にもなり、不妊の原因は男女で半々であること等についても伝えている。
高校では男女ともに家庭科の授業の中で実施しており、令和5年度は4校21クラス760人に実施し、令和6年度は5校24クラス829人に対して実施した。今年度は、県が作成した補助教材を家庭科の先生にも説明した上で高校に配付し、活用している。
生徒の感想としては、「妊娠には時間的な制限があることが分かった。このことを踏まえてライフプランを考えていきたい」、また、「排卵や月経のサイクル、妊娠についてなど、自分の体のことではあるが、きちんと理解できていなかったことに気づいた。自分と相手の心と体を大切にできる性行動ができるようにしたい」といった声があった。
他にも、県内の専門学校や企業に出向いて講座を実施しており、令和5年度は10回、今年度は7回実施する予定である。
また、県の初任者研修やインターンシップの実習の中でも、「子育て県かがわ」の取組みの一環として実施しているところである。
(再質問)
今答弁のあったように、高校や専門学校、企業、そして県職員の初任者研修において取り組んでいるということであり、そうした取組みをぜひ継続しつつ、より多くの方が、そうした講座を受けられることで、より、自分の体をケアしていただけるようになればと思っている。
プレコンセプションケアとは平たく言えば、「自分で自分の体をケアする」ということで、そのためには体の変化があれば早めに相談することが必要である。
市町村において、妊娠期から子どもが大人になるまでの一連の成長の過程における様々なニーズに対して、ワンストップで総合的な相談支援を行うことができるよう、地域の実情に応じて、対象年齢などについて柔軟に運用するなど、子育て世代包括支援センターなどの機能の整備を図るとともに、産婦人科、小児科、精神科、歯科などの診療科及び助産所といった関連医療機関と連携しつつ、地域における相談支援体制の整備を推進することや、地域の状況に応じて、電話やオンラインを活用した相談支援の実施を推進することにより、誰もがプレコンセプションケアを受けやすい環境を作ることが可能と考える。
また、検査費用は、兵を助成する都道府県が増えている中、近隣において庫県では、2021年度から始めていた夫婦ペアでの検査の費用助成の所得制限を2023年度から撤廃し、検査を受けやすくして、不妊治療を後押しする環境を整えている。広島県では、検査費用の自己負担額の2分の1、上限5万円を助成している。鳥取県でも、相場が3万円~4万円になるハードルを下げるための男女検診費用支援等、プレコンセ早く知りたかったという県民の声や、学校を卒業した20代、30代に知識を伝えることが難しいという市町村の悩みを聞いていたプションケアに関する事業費を、2025年度当初予算に計上している。ようである。
こうした取り組みを、本県でも、若い世代が健康に関心を持つきっかけになるよう、そして、気軽に相談しやすい環境を拡充できるよう、実施していただきたいと思うが、その点についての考えを伺う。
(田中子ども家庭課長)
本県では、香川県不妊・不育症相談センターや県助産師会に委託している「妊娠・出産サポート相談」における電話による相談支援を行うとともに、各保健所では、性と健康についての電話相談、また、地域の高校やイベントでプレコンセプションケアのチラシを配付する等の普及啓発を行っているところである。
ご紹介のあった兵庫県や広島県では、不妊の原因を調べる検査の費用助成を行い、不妊治療を後押ししており、また、鳥取県では、令和7年度からプレコンセプションケア健診として、血液検査や性感染症、妊孕性等に関する健診に取り組む市町村に対して、健診費用等の一部助成を行うと伺っている。
プレコンセプションケア健診を今年度から実施している鳥取県境港市に状況を伺ったところ、20歳と25歳の女性にクーポン券を送付して実施していると聞いているが、現在のところでは、受診率の低さという課題があり、検査とあわせて周知啓発をしっかり行っていくことが必要とのことであった。
このため、本県としては、現時点では、若いうちからの周知啓発を実施することが重要と考えており、教育委員会とも連携し、引き続き取り組んでいきたいと考えている。
男女ともに妊娠する前から自分の体の状態を知ることは大切であり、健診が健康管理を始めるきっかけにもなるとも考えられる。いただいた御意見も踏まえ、若い世代に対してどのような効果的な周知ができるか、他県の取組みの情報も収集しながら検討してまいりたい。
(要望)
実際にリサーチしていただき感謝する。今は、ニーズがまだそれほどないため、先に普及を図るということであるが、健診のクーポンや助成があるということをきっかけに関心が高まるということもあり得ると思うので、よろしくお願いする。
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