
【質問】
令和6年度の成果説明書(P.281、283)では、地域農業における担い手への支援事業などの成果指標として、新規就農者数や認定農業者である農業法人の数、さらには農地の集積に関する農地中間管理事業による貸付面積などが示されています。
これらはいずれも、経営体の拡大や担い手数の増加といった「規模の成長」を成果とする指標です。
一方で、地域によっては兼業農家が中心となり、小規模であっても農地を守り続けることが地域の暮らしや景観の維持につながっています。
とりわけ島しょ部や中山間地域では、「経営を大きくする」よりも「農業を続ける」ことそのものが地域を支える価値です。
そこで今後、事業評価の中に、たとえば「継続して耕作している農家の割合」や「再生農地の維持率」など、地域で守るべき農地において、農業を担う者が、どのくらい確保されている状態かを測る継続性の指標を設けることについての考えをお伺いします。
【再質問】
県の農業施策ではこれまで、担い手確保や農地集積など、主に「拡大・成長」を促す取組が中心となってきました。しかし、地域の実情を見ると、兼業農家や高齢農家が少しずつ協力しながら農地を維持しているケースが少なくありません。
たとえば「遊休農地等利活用促進事業」(P.284)では、再生した農地の面積は数値化されていますが、数年後も耕作が続いているかという継続性を把握していくことが重要であると考えます。
農業が一過性で終わらず、地域に根づいているかを確認することこそ、今後の事業改善に生きるデータだと考えます。
県として、こうした継続性の指標をモデル地域から先行的に導入し、実効性を検証していく考えはないでしょうか。
【答弁】
〔本県農業の現状について〕
農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、本県農業を持続的に発展させていくためには、核となる担い手のみならず、本県の耕作面積の約7割を支える兼業農家など多様な農業人材の営農継続を支援することが必要であり、とりわけ、ご指摘の中山間地域や島しょ部においては、こうした取組みが重要である。
このため、県では、これまで、兼業農家が農業を継続し、農地を守り続けることができるよう、地域を支える集落営農組織の活性化に対する支援に加え、令和6年度からは、全国に先駆けて「多様な農業人材経営計画認定制度」を創設し、意欲ある兼業農家の積極的な農地利用を推進してきたところである。
こうした中、昨年度末に市町が策定した地域計画においては、10年後の後継者が決まっていない農地が約7割となっている。
これは、地域での十分な話し合いができていないことなどから、主に専業農家等の耕作状況を反映した現状計画にとどまっており、兼業農家等の意向を十分に反映しきれていないことが、大きな要因の一つと考えている。
〔地域農業の継続性について〕
地域計画を、将来にわたり、地域全体で農地を守り、最適利用が図られるための計画とするには、兼業農家等の多様な農業人材の営農継続の支援など、「守り」の施策がポイントになると考えている。
このため、現在、策定作業を進めている来年度から5年間の農業政策の指針となる次期「農業・農村基本計画」においては、儲かる農業を実現する「攻め」の施策に加え、農業・農村の基盤を支える多様な農家を支援する「守り」の施策を基本方針として、それぞれ位置付けたうえで、これらを一体的に展開してまいりたいと考えている。
この中で、委員御指摘の営農を継続してもらう継続性に関する指標についても検討してまいりたい。
〔県補助事業による成果の把握〕
委員御指摘のとおり、継続性の把握は重要と考えており、「遊休農地等利活用促進事業」については、地域計画において10年後も耕作者が決まっている農地として位置付けられることを条件に補助を行い、事業実施後5年間は、補助対象となった遊休農地の耕作状況を報告してもらい、状況を把握している。
当該補助事業の活用実績については、令和6年度には、小豆島町をはじめ、さぬき市や三豊市の0.6ヘクタールの遊休農地を対象に、担い手による再生作業を支援し、丸亀市や三豊市の1.2ヘクタールの農地を対象に、遊休農地の発生防止に取り組んだところ。
〔県補助事業の実効性の検証〕
県補助事業の成果については、一過性のものとして終わらせず、地域に根付いたものとすることが重要であり、これを確認するものとして、地域計画があり、その実現や継続的な見直しの中で、補助事業の効果の把握を含め、継続的な農地の利活用策に生かしていきたいと考えている。
また、地域計画については、今年度から来年度の2年間を重点支援期間とし、策定主体である市町を伴走支援し、基盤整備実施地区や集落営農組織など、より小さな単位を中心に、ブラッシュアップを図っていくこととしている。
いずれにしても、遊休農地等利活用促進事業はじめ、県の補助事業は、農業を持続的に展開していただくことを目指すものであり、地域計画の実現や見直しをとおして継続性の検証に努めてまいりたい。
なお、継続性の指標については、次期「農業・農村基本計画」の中で検討してまいりたい。
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