
(質問)
瀬戸内国際芸術祭2025取組方針では、開催方針として、「これまで以上に、地域の人たちにとっての大切な生活実感、素晴らしい海や地域の風景、生活の技術をリストアップし、それらが生きていく誇りになるように活動」することとなっている。
また、前回2022のコンセプトの中では、縁を作る通年活動として「島間の交流を活発化し、それぞれの地域が独自に動き、そこから新しい島と瀬戸内海再生の機会を生んでいくように活動します。」とされていた。
島々をはじめとする会場エリアの地域資源を取り上げ、地域住民が関わって作品が作られ、その作品にまつわるストーリーが来場者の共感を呼び、芸術祭の会期外でも人々が訪れてくれるようになる、という地域活性化のモデルになるものと理解している。
小豆島においては、このコンセプト内容に関して、どの部分で実践されているのかについて疑問を持たれるケースもあるとお聞きしている。
他方で、台湾のワン・ウェンチー氏が中山地区で初回の芸術祭から毎回継続して参加しており、棚田の景観を生かしながら、地元の人達と一緒に作品を制作しており、来場者からの人気も高く、地域の人も愛着を持っていて、一緒に準備するなど先述したコンセプトを体現していると思っており、芸術祭の開催効果を高めるには、このような好事例を増やしていく必要がある。
芸術祭は、県や開催エリアの市町が主な構成員である実行委員会が主催となっており、県と市町がコンセプトを十分理解して事業を進める必要があると思うが、まずは、芸術祭の開催・準備にあたり、県と市町がどのように連携しているのか、伺う。
(文化芸術局長)
委員ご指摘のとおり、芸術祭の準備に当たっては、関係する各団体が芸術祭のコンセプトを踏まえて、地域の自然とか、文化、歴史、食、人といった資源を掘り起こし、地域住民に芸術祭の取組みへの参加を促すことが重要であると考えている。
特に、開催効果を高めるためには、実行委員会の主要な構成団体である県と市町が役割分担の上、しっかりと連携していくことが求められている。
それぞれの役割として、まず県において、芸術祭の各会場エリアをまたぐ総合的な事業方針を調整・策定するとともに、市町をサポートしながら各会場の作品制作や受入体制構築を推進するほか、広報やチケットの販売促進、補助金や協賛金の獲得を主に行っている。
一方、市町においては、各会場エリアにおける事業展開の基本的な方針の検討をはじめとして、作品制作に活用可能な地域資源の調査、総合ディレクターへの提案、アーティストが作品制作する際の地元調整、作品制作や受付、来場者へのおもてなし活動に住民の参加促進、会場エリア内における交通手段の確保といった受け入れ体制の整備などを担っている。
加えて、これまでの芸術祭では、開催の前年度から県に職員を派遣していただき、市町と緊密に連携できる体制を構築しており、来年度も同様に、市町からの職員派遣を受ける予定としている。
(再質問)
芸術祭開催エリアの市町の役割が、地域再生の効果を上げていく上で重要になると伺えた。
地域活性化というコンセプトを体現するために、作品として世の中に可視化される部分、作品・テキスト・WEB等だけでなく、各作品のコンセプト段階から、リサーチ・設置場所・地域住民との関わり方といった一般的には可視化されない部分について、その評価方法も含めて、全体を取りまとめる県が市町をどのようにフォローしているのか、伺う。
(文化芸術局長)
芸術祭には多くの市町が関わっており、地域活性化の効果を上げていくためには、市町それぞれの担当職員が事業の趣旨を理解し、準備に必要なノウハウを習得して、全体のレベルアップが図られるよう、県としてもフォローアップしていくことが重要であると考えている。
そこで、今年度はまず、4月に県が企画して、委員ご指摘のような地域資源のリサーチ、作品設置場所の検討、地域住民との関係性づくりに取り組む市町の担当職員に対し、芸術祭の開催趣旨、これまでの取組み、各地域での地域活性化の事例などを共有するための研修会を実施した。
また、5月の実行委員会総会の開催に合わせて、知事、福武総合プロデューサー、北川総合ディレクターと各市町長との意見交換会を開催し、各市町における次回の方針などの課題を共有したほか、それ以降では、総合ディレクターが各市町を回り、市町長と意見交換を個別に行った。
10月からは、市町ごとに総合ディレクターとの検討会を始めており、市町によっては地元で活動している方にも参加していただき、各会場エリアにおける地域資源の洗い出しや来場者の受入に関する課題の整理などを順次行っているところである。
検討会実施に当たっては、各市町もいろいろと準備が必要であることから、そのサポートのため、検討会を始める前に県の職員があらかじめ各市町に出向き、市町職員とともに地域資源や作品候補地の調査を行ったところである。このように、作品制作に至るまでの、表には見えにくい準備を丁寧に行うため、県がサポートしながら、各市町と取り組んでいるところである。
また、芸術祭による地域活性化の評価については、毎回、会期が終わった後に総括報告書を作成している。その中では、例えば、「芸術祭が地域活性化に役立ったのか」、「住んでいる地域に作品が設置されてよかったか」、「作家や来場者との交流の機会があったのか」などのアンケートも行っているほか、自治会の役員や関係者との意見交換会も行い、直接にご意見もいただくなど、定量・定性の両面から、芸術祭の開催効果を確認しているところである。
文化芸術局としては、今後も引き続き芸術祭のコンセプトを踏まえ、各エリアが活性化されるよう、地元市町と一緒になり、取り組んでいきたい。
(要望)
今の方針で市町と連携しながら進めることで、住民の中で、より瀬戸芸が身近に感じられ、瀬戸芸が行われたことで住民がもっと関心を持つようになり、また、3年に1度だけ行われ、それ以外の間は単発イベントになるのではなく、会期外でも、継続的に住民の方が関心を持って、関わり続けてもらえるよう、リサーチや設置場所といった、可視化部分に関して住民との意見交換を継続していただければ幸いである。
先ほど、城本副委員長からの指摘にもあったが、そうした部分をどれだけ住民に知ってもらうかということもすごく重要と感じており、瀬戸芸が、住民と一緒に作り、そういうコンセプトどおりの内容をやっているということを、多くの方にPRできたらと思う。そして、来場者として日本に訪れる方にも、そうしたストーリーがあることで、より作品への関心、興味も、また、来場者も増えることになると思うので、そうした循環を作っていければと思う。
関係者が多く、県の方でも調整が大変だとは思うが、しっかりとサポートして、よりよい芸術祭になるように要望する。
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