産業県議会質問 2026.03.05

令和8年2月 県議会  経済委員会質疑応答状況 島しょ部における地域計画の実効性について

 

(質問)

島しょ部における地域計画の実効性について伺う。

 

本県では、地域農業の将来像を示す地域計画の策定が進められて、小豆地域においても土庄町で7地区、小豆島町で9地区で策定が完了して、現在は、先ほどの副委員長のご質問でもあったように、ブラッシュアップと実行の段階に入っていると承知している。

 

小豆島の地域計画の特徴として、兼業農家を担い手として位置付けている割合が高い点が挙げられる。

 

島しょ部では、船が止まった時なども考え、家族経営とか、自家消費されている方が多く、いざという時は、自給するという姿勢でされている方が多いと考えている。

 

集団で営農されている現場からは、飛び地が多くて作業効率に課題があること、そして、小規模で畑作を行っている農家の方からは、普段から共同で作業するわけではないため、集まって話し合う習慣が必ずしも根づいておらず、地域計画や支援の制度の情報が十分に届いているかわからないという声も聞いている。

 

そこで、小豆島のように兼業農家や小規模農家の比率が高い地域において、これまで地域計画のブラッシュアップをどのように進めてきたのか、その取組み状況を伺う。

 

 

(古市農業経営課長)

本県の地域計画では、10年後の農業者が位置づけられた農地が約3割にとどまるなど危機的な状況であると認識している。まず、地域計画の見直しを進め、10年後の農地を担う者を明確にしていくことが緊急の課題であると認識している。

 

このため、今年度と来年度の2年間を重点的なサポート期間として位置付け、地域計画の見直しにあたり、将来にわたり守るべき農地を明確にした上で、集落営農組織や基盤整備地区といった、より小さな単位で、さらに深い議論を促し、その場に県も参画するなど、市町の伴走支援に努めているところである。

 

土庄町や小豆島町の島しょ部では、その地理的条件によって、農地が狭小で、農地への進入路も狭いなど、経営を大規模化しにくい農地が多く、委員ご指摘のとおり、兼業農家をはじめとした小規模農家の比率が高くなっている。

 

地域計画においても、10年後の農地を担う者として、兼業農家などが位置付けられる比率が必然的に高くなる特徴が見られている。

 

また、島しょ部では、遊休農地の拡大や、受け手となる農家数の減少が他の地域よりも先んじて進行しやすい面もあると考えている。

 

このため、地域計画のブラッシュアップにおいては、この課題に対して、まず1点目として、地域の営農に支障がない再生困難農地の除外を通じて、守るべき農地を明確にするとともに、2つ目として、守るべき農地でありながら、活用できていない農地については、農家の個々の営農活動だけではなく、地域で農地を維持する観点から、再利用に向けた検討を行っていくことが重要であると考えている。

 

そのため、県の農地マネジメント推進チームにおいては、町と連携して、真に守るべき農地を整理し、地域の合意のもと、再生困難農地については、地域計画の範囲から外す見直しを行っているほか、小豆島の特徴ある農産物であるオリーブなどを活かした農地の再生や、小豆島の気候に合った農産物を活用した新たな産地づくりにも取り組んでいるところである。

 

具体的には、今年度、県の補助事業を活用して、0.7ヘクタールの遊休農地にオリーブなどを作付するとともに、農地の再生に取り組んだほか、新たな産地づくりとして、ビール麦やホップなど、小豆地域の気候にあった特色ある農産物の栽培指導を行うことで、地域における新たな農地活用を促すとともに、地元女性部会や青年団と連携させていただきながら活用されていない農地にサツマイモを栽培する取組みも実施してきたところである。

 

今後、中山間地域など、兼業農家などの比率が高い地域における地域計画のブラッシュアップにおいては、小豆地区の取組みを参考にしながら、現在、位置付けられている農地を担う者の営農継続の支援や、特色ある農産物による地域活性化と農地活用による、地域外からの新たな受け手の掘り起こしに取り組んでまいりたい。

 

なかでも、地域計画において10年後の農地を担う農業者として位置付けられていない皆様は、委員ご指摘のとおり、地域計画の意

義や支援内容に関する情報が伝わりにくいということから、県農業改良普及センターの普及センターだよりとか、JA香川県の組合に全戸配布しております広報誌、さらには兼業農家にも参加いただける水稲講習会の場を活用し、繰り返し周知を図りながら理解をお願いしてまいりたいと考えている。

 

(再質問)

今答弁いただいたように、たくさんの方に参加してもらうことが本当に重要だと思っている。地域計画の会議の際に、やはり参加してよかったと思える場にしていくことが、今後の鍵であると考えている。

 

小規模農家の方々は、日常的に共同作業をするわけではなく、話合いの場に出るという習慣がやはり根づいていないと思う。しかし、県が、兼業農家を守る農業として位置付けていること、そして、具体的な支援策を示していくことが伝われば、参加したら自分の農業に役立つという実感に繋がって、参加率は高まると思っている。

 

現場では、高齢化によって自ら耕作できる面積を徐々に縮小し、できない部分を他の方にお願いするというケースが確実に増えている。これは自然な集約の流れとも言えるが、その受け手が誰なのかとか農地を担えるのかといった情報を県の普及センターとかで十分に整理して共有されていなければ円滑な引き継ぎにならないと思う。

 

地域計画のブラッシュアップの中で、こうした実態を踏まえて、農地の出し手受け手を可視化して面的な集約や団地化を具体的に後押しする仕組みを強化することが重要であると考える。

 

あわせて、農業機械の導入支援制度の運用についても、現場との実情とちょっとずれがあるのではないかという声も聞いている。特に、中古機械については、良いものがあればすぐに買うというのが実情で、申請してから、購入するという習慣がほとんどないと伺っている。田植え機やコンバインは年に1回か2回しか使わないので、その限られた時期に故障すれば、次の作業に間に合わせるために、即時の購入が必要となるが、申請から交付決定までの時間を要する場合に、制度を活用するにはハードルが高く、結果として支援策を使いにくいという状況になりかねないと思っている。

島しょ部の農業は、大規模化一辺倒ではなくて、兼業農家を含めた地域維持型の農業が基盤であるので、高齢化による農地の引き継ぎを円滑に進めるための集約支援と、機械の導入支援の柔軟な運用の両輪が必要であると考えている。

 

そこで、島しょ部の実情を踏まえて、高齢化による農地の引き継ぎを円滑に進めるための飛び地集約の具体策、そして、機械の導入支援制度の柔軟な運用を含めて、今後どのような支援を行っていくのか、県の方向性を伺う

 

 

(桑原農政水産部長)

委員ご指摘のとおり、本県農地の7割を兼業農家の方々が担っていただいている実情を踏まえると、地域農業を維持発展させていくためには、核となる担い手の方々だけではなく、兼業農家の方々などを10年後の農地を担う農業者として地域計画に位置付けた上で、機械導入をはじめとした各種支援を進めるとともに、集落単位で面的に農地を管理する守りの対策を進めていくことが必要であると考えている。

 

地域計画の位置付けについては、まず兼業農家の方々の地域計画への位置付けに向けては、県で令和6年度に他県に先駆けて、多様な農業人材経営計画認定制度というものを創設し、これによって経営の発展に積極的な兼業農家の方々の確保育成に取り組んでいるところである。

今月3月1日には、小豆島両町で9名の生産者が新たに認定を受けるなど、県全体で合計73名が新たに認定をされ、総認定者数は、土庄町・小豆島町が18名、15市町の合計が218名となってい

る。

年齢は20代から80代という大変幅広い中で、5年後の経営面積が約1.7倍に拡大するということを目標としていただくなど、将来にわたって農地を利用する意欲ある、兼業農家の方々が認定を受けているという状況である。

 

こうした認定を受けた兼業農家の方々をしっかりとサポートすることは、地域計画に基づく産地づくりには欠かせないことであるため、引き続き、認定者確保や営農に必要な農業機械などの導入支援に取り組むということと、認定者の方々が農業技術等のいわゆる、リスキリングが進むよう農業大学校において実践的な研修を組み込むなどカリキュラムの充実に取り組んでいく。

 

また、農地の引き継ぎを進めるための具体策については、ご指摘もありましたとおり、農地を円滑に担い手に引き継いでいくということが重要であり、地域の人と農地の情報を見える化して、関係者で共有活用できる仕組みの構築は大変重要なことである。こうしたことから、次年度は農地に関わる情報をデジタル化によって一元的に集約して、地域の関係者で共有できる仕組みづくりに、官民共創で取り組むということとしており、農地の利用調整の円滑化を図るとともに、県内外からの将来の農地の担い手の掘り起こしと呼び込みに取り組んでいく。

 

一方で、山間部や島しょ部では、農地区画が狭小であることに加えて、進入路も狭いという、条件があまりよくない農地を抱える地域もある。お尋ねの飛び地となる農地などは、そういった活用されにくい状況の典型ではないかなというふうに思っており、こうした農地は地域計画のブラッシュアップで、将来にわたり守るべき農地と位置付けられたものについては、より小さい単位で話し合いを行って農地の維持管理を進める環境を整えて、農地を地域で守っていくということが必要でないかと考える。

 

れも先ほど答弁させていただいたとおり、来年度、他県で先行して取り組まれている地域まるっと中間管理方式を参考に、集落などの地域単位で、非営利型の一般社団法人を立ち上げて、担い手や兼業農家、土地所有者などが参画する形で農地を一元管理する、そういった仕組みを本県においても導入できるよう支援を行い、地域で農地を支えていくような取組みを進めてまいりたい。

 

次に、農業機械の導入支援制度の柔軟な運用については、次年度からは多様な農業人材支援事業において兼業農家の声を踏まえて、農業機械の導入ハードルを下げるために共同で補助金申請ができる制度に見直しを図ることとしており、また現在公募中の農業者未来チャレンジ支援事業においても、一定の条件はあるが、すでに購入済みの機械等についても支援対象とするなど、農家目線での制度設計になるように努めているところである。

突発的なことで故障に伴ってという事例も先ほどあったが、税金を使った支援制度であるため、一定の申請、手続き等は必要にはなり、例えば事前に要望量調査を前年の秋ごろに行うなど、なるべく期待に沿えるように運用はさせていただいているので、ご理解いただきたい。

 

また、一方、個々の農業者で農業機械を購入することができない場合、農業機械を所有することから、利用することへ転換して、経営コストの低減が図られるよう、必要な作業をアウトソーシングできる環境を整えることも必要なことではないかと考えている。

 

このため、県では農作業の一部を代行する農業支援グループの育成確保に取り組んでおり、現在、県下で29の団体が設立されている。

兼業農家等のトラクター作業や定植機による植え付け作業などの請負を進めていただいているところである。なお、現状では、土庄町・小豆島町を含む7市町では、このグループが設立されていないということで、支援を受けられる地域に偏在が見られるというのが1つの課題である。

 

このため、県としては引き続き農業支援グループの設立を支援して、グループの数を増やしていく取組みを進めることと、新たに畦畔の草刈作業やドローンによる防除作業など、農作業を県下全域で提供できるような、民間企業に対して、作業受託に必要な農業機械や広域的活動に不可欠な、回送車の導入を支援することで兼業農家の方々が必要な支援をどこでも受けられるようなエリアの拡大を図ってまいりたい。

 

(要望)

様々な施策に関して答弁いただきましてありがとうございます。

先ほどご説明いただいた中間管理法人に関して、地域単位でそのエリアのすべての方が参画するとのことですが、地域の同じ集落でも分かれて活動されていたりということもあるため、なるべく、そういった違うグループであったとしても、同じ集落に単位となる場合に、やはりうまく協力してもらう体制を整えるために声がけいただき法人化することができれば、さらに今後の農地の活用が進むと思う。

 

法人化となるとやはり、結構ハードルが高いと感じておられる方が多く、法人化によって手続きが増えたり、例えば税理士に頼まないといけないとか、法人税が発生するとかといった部分もあるため、同時に、メリットの部分をぜひお伝えしていただき、そういった地域ごとにうまく管理できる体制を作っていけたらと思っている。

 

地域計画が、事業実効性を持つためには、農地の出し手と受け手の把握と、そして飛び地の集約化を進める取組み、そして、現場の実情に合った機械の導入支援制度の運用、そして、普及センター等による積極的な情報提供を通じて、地域の農家の皆さんが参加してよかったと思える仕組みづくりが重要であると考えている。ぜひこうした実情も踏まえて、地域計画の実行段階において、農地集約の具体的な支援と制度運用の改善をさらに進めていただくことを要望して質問を終わる。

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