
(質問)
私立学校は公教育の中で重要な役割を果たしている。各学校が、それぞれ独自の教育方針に基づいて創意工夫された教育を実践し、個性豊かな、そして多種多様な人材を育成している。特に高等学校においては、学生の将来の進路を決定する大きな役割を担っている。
そこでまず、県内の全日制高校に通う学生数を公立、私立別で教えていただきたい。
(井元総務学事課長)
県内の全日制高校に通う高校生は、令和5年5月1日時点で、公立高校で17,173人、私立高校で5,988人、合計で23,161人である。
(再質問)
県内の高校に通う学生数は、全日制へ通う学生が23,161人、そのうち、17,173人が公立高校へ、5,988人が私立高校へ通っているとのことなので、およそ4人に1人が私立高校にいることになる。
中学校を卒業する時にそれぞれの進路を選ぶにあたって、「学費が無償の公立高校に行きたい」「私立高校に行きたいけど、学費が高く、親に迷惑がかからないようにしたい」といった声も聞いている。では、学費にかかる家計負担において、公私でどれだけの差があるのかについては、以下のようになる。
年収約590万円未満の世帯の場合、公立は完全無償、私立は県内平均で月額9,806円となる。
590万円以上910万円未満の世帯の場合、公立は完全無償、私立は月額33,450円となる。
910万円以上の世帯の場合、公立は月額9,900円、私立は月額43,350円の保護者の自己負担となる。
「私立高校も授業料は無償」と言われるが、授業料以外の施設設備費もあり、このように、同じ9,900円でも、公立で910万円以上の世帯が負担する月額9,900円の学費と、年収590万円未満の世帯が私立に行く場合負担する9,806円がほぼ同額であることをみても、私立高校に子どもを通わせる場合の負担感はずいぶん大きいものがあると推測される。
現在、子どもたちのニーズは多様化している。学生が自分の希望に合った進路を選択できるよう、多様な受け皿が確保されている必要がある。多様な受け皿があっても、親の経済的理由によって、中学生が、自分の希望する高校に行けない、という状況は、教育の機会均等を保障する公教育の担い手として避けなければいけない事態だと考える。
先ほど述べた授業料補助については、令和2年4月から、高等学校等就学支援金の制度改正により、国から年収590万円未満の世帯に年間396,000円が、年収590万円から910万円未満の世帯に年間118,800円が補助されるようになった。
しかしこの国の補助については年収590万円を境にして大きな差があり、その差を埋めるために多くの都道府県が県単独で上乗せ補助を実施しているが、本県においては、どのような補助がどれだけの予算で実施されているのか、伺いたい。
(井元総務学事課長)
委員御指摘のとおり、令和2年度の国の就学支援金の引上げがあった。年収590万円以上の中間層の世帯を対象とした県独自の授業料支援を行った都道府県があることは承知しているが、本県においては、公私間格差を縮めることを目指して、当時の入学金が公立5,650円に対して私立は約12万円と高額であり、授業料の実質無償化後も大きく公私間格差が残るという認識から、私立高校生の約6割を占める年収590万円未満の低所得世帯のさらなる支援として、県独自の入学金軽減補助制度を創設したところ。
この入学金軽減補助事業の予算額は、今年度5,155万円である。
(再質問)
香川県の入学金支援の単独補助について、今年度予算額5,155万円を計上されているということだが、民間団体のデータによると、少なくとも33都道府県が本県より多くの予算を計上しており、本県より少ない自治体は13県しかない。これは、私立高校無償化の波に乗り遅れている状況かと考える。
また県人口125万人以下の15県において、授業料補助と入学金補助の合計で県単独補助を比較すると、香川県は15県中8位となっており、近県に目を向けると、例えば、高知県は141,581,000円の予算を計上している。
確かに令和2年度に国からの就学支援金が増えた時に自治体予算が減額された都道府県が多かったのだが、それでも全国平均で11.3%程度の減額であったが、本県においては37.6%もの減額となった。
以上のような現状から、是非、33都道府県と同様に私立高校への学費補助を実施し、公教育の機会均等のために保護者の自己負担を少なくし、公私学費格差を解消し、本県で生まれ育った子どもたちが大人になった時、「学費を補助してくれた香川県のおかげで今の自分がある」と、「お世話になったこの地域のために貢献したい」と思えるような環境をつくり、子育て支援を謳っている池田知事のカラーをより鮮明にしていただくことが得策かと考えるが、如何か。
(井元総務学事課長)
高等学校等就学支援金や入学金軽減補助事業などの軽減策をとっても、なお経済的に厳しい所得階層の保護者がいることは十分認識しており、その支援の必要性は理解できるが、本県の厳しい財政状況を考慮すると、まずは国において対応していただきたいと考えており、全国知事会等を通じて国に対して「就学支援金制度の更なる拡充・見直し」を図るよう要望しているところである。
なお、私立高校の保護者負担軽減のための予算額については、令和2年4月の国の就学支援金制度の改正に伴い国費が増額されたことから、委員御指摘のとおり、県費支出額は減額したものの本県の私学に対する国と県による支援の総額は、国の制度改正前の令和元年度約12億円から令和2年度17億9000万円余と、対前年度比で約5億9000万円、約1.5倍に増額となっており、本年度においても20億3000万円となっており、この点においては、保護者負担の軽減の取組みは一定以前より充実しているものと考えている。
いずれにしても、県としては、将来を担う若者が経済的理由で就学や学力向上を図る機会を失うことがないよう引き続き努力してまいりたい。
(要望)
現在実施している県の取組みの拡充や、国への要望もお願いしたい。10年後、20年後に香川県の第一線で活躍する今の子どもたちに投資する意味で、より多くの可能性と選択肢を未来に託すための検討をお願いしたい。
カテゴリー 一覧