観光県議会質問 2026.03.04

令和8年2月 経済委員会質疑応答状況 人流データの活用について

 

(質問)

本県の観光振興において、データに基づく施策の高度化が今後ますます重要になると考えている。

前回の経済委員会において、人流データの活用について質問した際に、国の「地域経済分析システム(RESAS)」や日本観光振興協会のデジタル観光統計オープンデータなどが無料で提供されており、これらを活用することも有効であるとの答弁があった。確かに、RESAS等は市町や都道府県単位での入込客数や消費額、宿泊統計などを把握する上で有効な基礎資料であるが、今回、提案している「人流データ」は、今、県内ですごく消費が多くなっているインバウンドなども含めて、よりきめ細かなデータを得ることができるスマートフォンの位置情報などを匿名加工したデータである。

これを活用することで、「どこから来た人が、どの時間帯に、どのルートを通り、どのくらい滞在したか」といった、より具体的な行動の実態を把握できる。例えば、県立アリーナのイベントでも、イベント前後で来訪者数がどの程度増えたのか、県外からの誘客はどの程度あったのか、周辺の商店街や飲食店へ回遊しているのか、日帰りなのか宿泊につながっているのか、といった点を客観的に分析することが可能となる。これは単なる統計の集計ではなく、観光施策の効果検証や広報戦略の改善、滞在型観光の促進策の見直しといった、政策の精度向上に直結する基盤であると考えている。

 

そこで本県以外の四国各県の取組みを調査した。

 

愛媛県では令和4年度からデジタルマーケティングプラットフォームを構築し、年間約1億円規模で運用を進めており、かなり力を入れている。高知県では令和4年度から人流データを導入し、当初は専門家の伴走支援を受けながら体制を整備し、現在では県職員が活用できる段階に移行しているとのことだった。

 

徳島県においても令和8年度から導入に向けた予算を申請していると伺った。

 

さらに県内に目を向けると、小豆島観光協会が補助事業として人流データ調査を実施しており、丸亀市観光協会からも、県全体でデータ基盤が整備されれば観光戦略に活用したいと伺っている。

 

このように、四国3県が導入または導入準備を進め、県内の現場でも活用意欲がある中で、本県のみが基盤整備を行わないとすれば、将来的に広域観光戦略の中で遅れを取る可能性もある。人流データは単なる個別事業ではなく、四国広域観光や県内市町連携の土台となる基盤整備の段階に入っていると考える。

 

そこで、四国各県でデジタルマーケティングプラットフォーム構築や人流データ活用が進む中、本県として人流データを観光戦略の基盤としてどのように位置づけているのか。また、県内市町や観光協会と共有できる形で、データ基盤整備について検討する考えはあるのか、伺う。

 

(西尾交流推進部長)

 現下のインバウンド需要の高まりや瀬戸内エリアへの注目を背景に、県の観光振興を取り巻く環境が大きく変化しており、宿泊者数・入込客数といった従来の統計指標だけでは捉えきれない観光客の実際の行動、すなわち移動経路、滞在時間、島嶼部を含む県内各地への回遊状況を可視化できる人流データは、観光施策の効果検証や今後の事業立案に有効であると認識している。

 

 先の11月経済委員会での質問に対し、まずは国や関係機関が公開しているオープンデータを最大限に活用することがコスト面においても有効であると考え、国の地域経済分析システム(RESAS)などの活用を検討して参りたいと答弁した。

 

 RESASでは、現在取得できるデータが2024年時のものと少々古いが、携帯電話のアプリ利用者の位置情報を基に、エリア内の通過人口の推移や性別・年代別構成を平日・休日別で表示できる「通過人口メッシュ分析」のほか、同じく滞留していた人口の状況も表示できるツールも提供されており、まずはこういった公的オープンデータを収集・分析することを基本としたい。

 

 しかしながら、委員ご指摘のとおり、特定スポットやイベント、離島間の移動など、詳細な来訪動向などはオープンデータだけでは把握が難しいことも事実である。御指摘の四国の他県の状況を確認したところ、愛媛県と高知県は有償の人流データを購入し、関係機関や地域DMOへ提供している。また、徳島県は令和8年度の導入に向けて検討しているとのことであった。

 

 また小豆島観光協会では、今年度、観光庁の補助金を活用し、オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはかるため、人流データを用いた観光客流動調査を実施したと伺った。

 

 本県においては、県内で詳細な人流データを共有できるまでには至っていないが、今後、人流データを観光戦略の基盤とすることや、そのデータを県内市町や観光協会と共有することについて、他の自治体などの先進事例なども参考にしながら、引き続き調査・研究を行ってまいりたい。

 

(再質問)

 現在、国などが提供しているオープンデータを活用するとのことだが、どのようにそれを施策に活用するのか、その方法も簡単ではない。今回、どのように活用できるか分かっている人流データを、すでに県内で活用したいというDMOがある状況なので、そういった声も含め引き続き検討いただきたい。

 

仮に人流データを導入する場合、重要なのは「取得すること」ではなく、「どう活用するか」であると考える

 

高知県では当初、専門家の伴走支援を受けながら活用体制を整備し、その後は県職員が自ら分析できる体制へと移行したと伺った。

徳島県でもアカウントを複数主体で共有し、県・観光協会・DMOが連携して活用する設計を検討していると伺った。

 

本県においても、将来的に導入を検討するのであれば、伴走支援や職員のデータリテラシー向上を含めた段階的な設計が必要と考える。また、四国4県が同様の基盤を持てば、県境を越えた観光客の移動実態や周遊ルートの把握が可能となり、四国ツーリズム創造機構とも連携した広域プロモーションの効果検証や戦略立案にも資するものと考える。

 

本県として、広域連携も視野に入れた人流データ基盤整備の活用可能性について、どのようにお考えか、改めて伺う。

 

(西尾交流推進部長)

 御指摘のとおり、人流データの導入において重要なのは「取得すること」ではなく、「いかに活用するか」であるという点は、重要な視点であると受け止めている。四国の他の3県の取組は、本県が今後の方向性を考える上で、大変、参考となる事例であると認識している。

 

 一方で、こうしたデータを複数主体で共有して活用を図る基盤整備には、その導入・運用にかかるコストの発生、担当職員の体制・スキルの確保、市町や観光協会との役割分担の整理などの課題も少なくないと考えられる。

 

まずは先行他県の取組状況や成果・課題を丁寧に調査・研究しながら、本県の観光振興の実情に即した活用のあり方を慎重に見極めてまいりたいと考えている。

 

 また、四国4県が共通の人流データ基盤を持つことで、県境を越えた観光客の移動実態や周遊ルートを面的に把握できるという御指摘は、広域観光戦略の点から有効であると受け止めている。

 

 ご紹介のあった四国の広域観光を推進している四国ツーリズム創造機構では、現在、会員向けのデジタルマーケティングプラットフォーム運用事業として、国土交通省提供のFF-Data(訪日外国人流動データ)をはじめ、同機構が実施するアンケート結果やサイト閲覧状況などのデータを掲載するようなサービスも始めている。広域でのデータ活用基盤の整備に向けた取組みについては、本県としても今後の展開を期待している。

 

 いずれにしても、最初の答弁で申し上げたとおり公的なオープンデータや既存の統計データを最大限活用しながら観光施策の立案に取り組むことを基本としつつ、広域連携も視野に入れた人流データ基盤の整備については、費用対効果や庁内・エリア内の体制整備の状況、関係団体の御意見も踏まえながら、引き続き調査・研究を重ねてまいりたい。

 

(要望)

費用対効果がどの程度かという部分もあると思うが、これを整備することで、様々な他の施策の費用対効果も見えてくる部分もあると思う。今やっている施策の検証という部分もあるし、先程、答弁されたオーバーツーリズム対策として、どのように県内を回遊してもらうのかというような施策にも繋がると思う。

様々な、部分でデータを活用することが可能と考えているので、ぜひ、引き続きご検討いただきたい。

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