福祉・介護子育て教育県議会質問 2024.12.03

2024年11月文教厚生委員会質疑応答状況 ひとり親家庭への支援について

 

(質問)

2022年国民生活基礎調査の結果によると、ひとり親世帯の貧困率は44.5%と、約2人に1人が相対的貧困の生活水準にあり、子どもの貧困問題が深刻であることを示している。

 

また、ひとり親のうち、母子家庭の母自身の年間就労収入は 236 万円、就労以外の収入を含めた年間収入は 272 万円となっており、これは高校を卒業した18歳の年収と同じ水準であることがわかる。子どもが幼い家庭だと、子育てや家事に追われてフルタイムで仕事をするのは難しく、収入を増やしたくても増やせないのが現状である。

 

また、正規雇用と非正規雇

用の格差の問題に関してはひとり親世帯の貧困にも密接に関連している。非正規雇用では有給休暇がないケースが多く、急な病気やケガで働けなくなると収入減に直結する。また、子どもが病気やケガによって、保育園や小学校を休まないといけない、通院しないといけない場合でも同様に親が病院に連れて行き、面倒を見るために仕事を休む状況になる。

特にコロナ以降、子どもが少し咳をしている状態でも、親がエッセンシャルワーカーであれば、「病院とか勤め先に迷惑をかけるかもしれない」と仕事を休むという選択になりがちである。また、同様の状況で子どものほうは、保育園などから自粛することが求められており、やはりワンオペの親が仕事を欠勤し、家で子どもと過ごすという選択をしないといけなくなる。

 

病休を会社で認めているケースもあるかと思うが、県庁では病休は認められているのか。

 

(井手下子ども政策推進局長)

県庁職員については、本人の病気休暇が認められており、病気の種類にもよるが、90日や180日といった単位で継続して認められている。あわせて子どもの看護休暇といった休暇もある。

 

(再質問)

本人そして子どものための休暇が確保されているケースと、どちらもなかなか休みを取れない、もしくは休暇を取ったら収入減につながるケースもあるという意味で伺った。

 

また、未成年の子どもがいる状態で離婚をした場合、親権を持たない側は、養育費を支払うことで親としての責務を果たすことになるのが一般的である。しかし、養育費を受給している母子世帯は28.1%、父子家庭は8.7%と、養育費を受け取れないケースが多いのが現状である。ワンオペで収入を増やせない状況では、養育費の有無によって、子どもへの影響が顕著に表れてくる。

養育費の立替や回収の代行、離婚時の証書作成の代行といった支援をする自治体が増えており、2026年までに改正民法が施行され共同親権が導入されることとなる中、養育費を受け取れないのが当たり前だった状況が国、地方ともに変わりつつある。

 

そこで県として、ひとり親家庭の生活状況等について、どのような方法で把握して、また、支援が必要なひとり親家庭に対して、どのような支援を行っているのかについて伺う。

 

(田中子ども家庭課長)

県では、県内のひとり親家庭の生活実態等を把握し、支援施策を効果的に推進するための基礎資料を得る目的で、5年ごとに児童扶養手当受給資格者名簿に登録されている母子世帯及び父子世帯を対象に「ひとり親世帯等実態調査」を実施して生活状況等を把握しており、直近では昨年度に実施し、本年8月に調査結果を公表したところである。

 

この調査では、養育費や面会交流、子どもの習い事、親の就業状況、家計の状況等の大きく10項目に関して質問を行い、母子世帯は878世帯、父子世帯は72世帯から回答があった。

 

調査結果については、例えば母子世帯においては、養育費が支払われている割合は36.8%で前回から9.2ポイント増加、面会交流を現在も行っている割合は31.9%で前回から3.3ポイント増加、「子どもを塾に行かせたいができていない」と答えた割合は26.2%で前回から8.6ポイント増加、働いていると答えた方のうち、就業形態が正規社員等である割合は56.8%で前回から2.7ポイント増加、世帯年収は238.4万円で前回から13.7万円増加といった状況が明らかになったところである。

 

次に、県におけるひとり親家庭の支援については、平成19年度以降、「香川県ひとり親家庭等自立促進計画」を策定し、直近では、令和2年3月に策定した「第4期計画」に沿って、相談・情報提供機能の充実、就業支援体制の充実、経済的支援の充実等の基本目標を柱としながら、ひとり親家庭等の自立に向けた総合的な支援を進めているところである。

 

具体的には、福祉事務所に配置した母子・父子自立支援員が関係機関と連携しながら、生活や就業などについて利用できる福祉サービス等の情報提供や主に就業や能力開発等に関する相談に応じており、個々のケースに応じた自立支援プログラムの策定を通じた伴走型の支援を行っているところである。

 

また、就業に役立つ知識等を身に付ける講座の受講料等の補助や、看護師や介護福祉士等、経済的自立に効果的な資格の取得のため、養成機関で修業する場合に、生活費の負担軽減を図る給付金の支給、ひとり親家庭への医療費助成等も実施している。

 

さらに、ひとり親家庭の子どもを対象として、希望に応じて学習支援員を自宅に派遣するひとり親家庭学習支援員派遣事業を実施し、ひとり親家庭の生活向上を図っているところ。

 

(再質問)

調査の中で、塾に行けていない割合も増加しているという中、学習支援員の派遣という形でサポートしていただいているということであり、取組みが進んでいくことを期待している。

 

調査の中では、大学進学率の調査もあったのか。

 

(田中子ども家庭課長)

大学進学率については、この調査の中では直接お尋ねはしていない。

 

(再質問)

全国での調査では、貧困家庭の大学進学率や、習い事や塾、クラブ活動への参加率においても、全世帯と比較してひとり親世帯は低いという結果があり、経済的な格差がある。

 

お金が十分にあれば、子どもを塾に通わせ、学力を担保することができる。それがいずれもできない、構造的な要因により、しわ寄せを受けるひとり親世帯の子どもに対しては、行政の公的サービスにより、セーフティネットを作る必要があると考える。

 

先ほど答弁井あったような、ひとり親家庭学習支援員派遣事業について、改めて、申込状況、支援対象者数、支援頻度など、実施状況を伺う。

 

(田中子ども家庭課長)

県では、平成27年度から、ひとり親家庭学習支援員派遣事業として、希望する家庭に教員OBなどの学習支援員を派遣して、基本的な生活習慣の習得支援や学習支援等を行っている。

 

従来から小学生を対象に実施してきたが、今年度からは中学生にも対象を拡大したところであり、学習支援員の派遣回数等については、小学生は月3回程度で1回につき60分、中学生は月4回程度で1回につき90分となっている。

 

この事業は、県と合同で実施を希望する5市9町の児童を対象に実施しており、合同実施している市町が、管内での事業の広報や申込書の受付け等の業務を行っている。なお、残りの3市についても、それぞれで同様の事業を行っていると承知している。

 

対象者については、市町ごとの定員などは設けておらず、参加市町を通して募集を行い、今年度は、小学生30名、中学生10名の計40名を支援対象として想定していたところ、9市町の小学生26名、中学生32名の計58名の申込みがあったが、予算上の制約もあり、8市町の小学生24名、中学生13名の計37名を選定し、6月から学習支援員を派遣しているところである。

 

(再質問)

支援対象者数は小学生24名、中学生が13名とのことで、中学生のニーズが大きいのは、やはり小学生であれば何とかなるものが、年齢が上がり中学生だと恐らく家庭でもサポートしていくのが難しい状況になるのだと思った。

 

小豆島ではこの派遣事業を受けたケースが少ないと聞いている。また、「この日しか行けません」と指定された日に受け入れられなければ来てくれないなど、希望日の調整ができないケースもあったと聞いている。県内の5市9町の中では対象となる事業なので、多少、地理的条件があったとしても、幅広く誰にでも使いやすい事業にしていただけるようお願いしたい。

 

また、そもそもこの事業のことをご存じでない方も複数おられた。県として、ひとり親家庭に必要な支援情報が届きやすくなるための取組みを検討する必要があるのではないか。

 

(田中子ども家庭課長)

学習支援員派遣事業の情報が行き届いていないという御指摘については、市町に広報や申込みの協力のお願いをしているところではあるが、県としても、工夫ができないか考えてみたい。

 

一方で全ての希望に応えられないことも事実であり、地域の子ども食堂が実施する学習支援等の取組みもあるため、こうした取組みとつないだり、連携することが重要であると考えている。

 

学習支援員派遣事業以外も含め、ひとり親家庭へ支援情報を届けることについては、現在、県や市町のホームページでの周知だけでなく、福祉事務所の母子・父子自立支援員から情報提供などを行っているが、行政の窓口は土日等の対応ができないことや、相談者からの相談がなければ届けにくいこと、さらに、行政への相談は敷居が高いと感じていることなども課題であり、昨年度実施した「ひとり親世帯等実態調査」でも、平日は仕事や子育てで忙しく相談に行けないといった声や、定期的に分かりやすい情報を提供してほしいといった声などが寄せられたところである。

 

御指摘のように、ひとり親家庭に必要な支援情報が届きやすくなるための取組が必要と考えており、こうした中で、高松市内のNPO法人が中心となった、ひとり親家庭の支援を行う県内民間団体のネットワークが、LINEを活用した相談や支援情報の提供などを行っていると承知しているが、今後、こうした民間の支援団体や市町と連携をしながら、SNSの活用なども含めて、より分かりやすい支援情報の発信について、検討してまいりたい。

 

(要望)

いかに情報が届きやすくなるかに関して、検討いただいているということであった。高松市での事例も含め、確かにLINEを活用して情報を発信すると保護者に届きやすいと思うので、ぜひお願いしたい。

 

情報を一元化することで、ひとり親家庭へ向けた情報を網羅的にチェックしてもらえるような環境を作ることが重要だと思っている。

事項別に分けた形で一元的に情報をアップすることで、よりチェックしやすくなると思う。

 

愛知県のひとり親家庭を支援する母子寡婦福祉連合会では、LINEで手軽に情報を得られるようにしている。

 

ひとり親への支援情報は探しにくく、「自分で積極的に探さないと情報が入ってこない」、「制度を知らなかったために受けられなかった支援がある」、といった声もある。情報を就労や住居、子育て等、分野別にしたり、子どもの年齢から検索できるようにする等、情報を探しやすくすることで、先ほど答弁いただいた様々な支援の取組を有効に活用してもらえることにつながると思う。

 

ひとり親は仕事と子育てに追われて情報を探す余裕がないのが現状であるので、ぜひそうした取組みを多くの方に知っていただけるように要望する。

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