文化県議会質問 2024.07.02

2024年6月 文教厚生委員会質疑状況 文化財の保存と活用について

 

(質問)

本県の各地域の優れた文化財の保存・継承を行うために、「香川県文化財保存活用大綱」では、県が主体となる役割として、「市町の文化財保存活用地域計画の作成及び計画の円滑かつ確実な実施に関する助言や協力を行う」とある。

 

文化庁によると、令和5年12月15日現在、「文化財保存活用地域計画」を認定した市区町村は全国で139市町、香川県では8市9町のうち小豆島町のみが作成済みとなっている。この計画の作成は、地域の文化財などの現状を把握して活用していく上での基本となるものと考えるが、進捗の妨げになっている要因として、市町の専門職の不足なども挙げられている。

 

「小豆島町文化財保存活用地域計画」では、行政だけでなく住民や地域団体、そして所有者や専門家からも幅広く意見を求めており、とくに「地域の宝物」の担い手として、地域の子どもたちへのアンケートや高校と連携した取組みを行っている。

 

子どもたちへのアンケートで興味深い部分として、海や山、自然といった「風土」や、人がやさしいなど、従来の文化財の分類図には当てはまらないものが、「地域の宝物」として捉えられている。

「地域の宝物」に小さいうちから関心を持ってもらい、地域を愛する人を育成することは、将来の人材育成にもつながると考えている。

 

この文化財の保全について、老朽化で倒壊の恐れがあった小豆島の農村歌舞伎「中山の舞台」は、約8,820万円の改修工事費用のうち、約1,200万円をクラウドファンディングで集めている。

 

大阪万博予算では、当初予算1,850億円が建築資材の高騰などで最大2,350億円まで膨らむという見通しになっている。

資材の高騰や人材不足の影響を強く受ける建築工事、まして改修工事となると、当初の見積りどおりにいかないことも多く、その際の財源として様々な方策を考える必要があると思う。

 

そういった意味で「企業版ふるさと納税」で広く香川県に愛着を持っていただいている企業に協力を仰ぐのはいいアイディアだと考えている。

 

こうした企業版ふるさと納税の取組みも含めて、文化財の保存・活用のため、県の専門職員による助言や支援だけでなく、市町の人材育成に取り組むなどして計画作成につなげていく必要があると考えるが、他の市町での進捗状況、県としての関与の具体的な実例について伺う。

 

(教育長)

「中山の舞台」については、舞台を所有している地元自治会が、その保存などの費用を負担してきたが、今回の修理に当たっては、クラウドファンディングを活用して、県内外から1,200万円を超える寄附をいただけたということ、「地域の宝」に位置付けられている文化財の保護に、多くの方々から御協力が得られた意義は、大きいものと認識している。(私も伺い、実見させていただいたところである。)

 

こうした中、県教育委員会では、今年度から企業版ふるさと納税の制度を活用して「かがわの文化財保全・応縁プロジェクト」を立ち上げ、今年度は、18の保存修理事業に寄附を募っており、ご縁を魅力ある地域づくりに活かしていきたいと考えているところである。

 

地域計画は、県内では、唯一、小豆島町が作成しており、現在、三豊市において、文化財の所在状況の確認などの基礎調査が進められているが、その他の市町は、進捗状況という意味では、作成に未だ着手できていない状況にある。

 

市町が計画を作成する場合には、県教育委員会は作成委員会等に参画し、文化財の種類・保存内容などに応じた専門的な見地からの助言や、文化庁との調整などの支援を行っているところである。

 

また、市町職員の専門性が十分でない状況は、計画の作成が進まない一因となっていることから、国の専門研修会への参加を促進、あるいは県主催の専門研修会を開催しており、文化財の継承を担う市町職員の育成にも積極的に取り組んでいく、という意味において、県としての具体的な関与を深めていきたいと考えている。

 

また、今年度から市町が行う文化財の保存修理事業に対して県が補助を行う場合には、計画作成済みであることや計画作成に着手することを要件に加えており、地域計画の作成が促進できるような仕組みも整えているところである。

 

(要望)

市町計画の作成について、補助金部分も含めて、積極的に横展開していただきたい。

 

(再質問)

令和6年度事業「ふるさと芸能わっしょいしょい事業費補助金」は、県指定文化財が対象になっている。

 

地域で行われる民俗芸能に国や県、市町の区別はない。

県指定から国指定になることで、本補助金から外れるといった事例も聞いている。

国指定になり補助対象から外れることで恩恵が少なくなってしまっているというお声も聞いている。

 

国指定文化財に対しても補助金の対象とすることで、県にとってより価値のある文化財の保全を図ることになると考えるが、この点に対してお考えを伺う。

 

(教育長)

国指定の民俗文化財に対する補助については、国の補助に加え、県や地元市町の上乗せ補助により、事業者の負担を軽減するという仕組みとなっており、文化庁の専門的見地からの指導も得られることから、国指定民俗文化財については、国の補助制度の活用を推進しているところである。

 

一方、この国庫補助事業は、事業費の下限額が200万円に設定されており、200万円を下回る事業費の場合は国庫補助事業の対象にならない。

 

文化財保護法が改正されて、文化財の活用が重要視される中、積極的に活用を推進していく必要があると考えているが、国指定の無形民俗文化財を県単独の補助である「ふるさと芸能わっしょいしょい事業費補助金」の補助対象とすることは、限られた財源対応の中では難しい状況にある。

 

一方で「地域の宝」に国・県の区別はないというご指摘も理解できるところであり、まずは国指定民俗文化財が国の補助を受けられるよう、国に対して、国庫補助事業の下限金額の見直しなど、地方にとって使いやすい制度となるように要望していくことについて、まずは検討してまいりたい。

 

(要望)

「ふるさと芸能わっしょいしょい事業費補助金」は、数万円という規模だが、それでも県指定から国指定になった文化財の保全、保存、修繕のために役に立っていたという声を聞いており、国庫補助事業の下限額を無くす、あるいは下げるといった要望を進めていただければ幸いである。

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