子育て教育県議会質問 2024.10.03

2024年9月文教厚生委員会質疑応答状況 いじめゼロに向けた取組みについて

 

(質問)

文部科学省の調査によると、2022年度の小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は681,948件、前年度615,351件と、前年度に比べ66,597件、10.8%増加している。

 

児童生徒1,000人当たりにすると53.3件となる。教育心理学の研究によると、8割を超える人が言動によりいじめられた経験をしているという調査結果もある。

 

滋賀県大津市の男子中学生がいじめを受けた末に命を絶った事件について、市教育委員会や学校側が情報を隠蔽し、問題視されたことをきっかけとして、2013年にいじめ防止対策推進法が制定された。

 

いじめが疑われるケースの基本的な対応について、学校や教育委員会はどのような順序で、どう進めることになっているのか伺う。

 

(義務教育課長)
 いじめ問題への対応については、「香川県いじめ防止基本方針」に基づき、対策を推進している。その中で、学校における対策として、「学校いじめ防止基本方針」の策定や、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門的知識を有する方などで構成される「学校いじめ対策組織」の設置を明記しており、各学校では、組織的な対応ができる体制を整えている。

 

また、県の基本方針においては、まずいじめの未然防止や早期発見に努めることを前提としつつ、いじめの事案があると思われるときは、特定の教職員がいじめに係る情報を抱え込むことなく、速やかに、学校いじめ対策組織に対し情報を報告すること、そして学校いじめ対策組織において情報共有を行った後は、関係児童生徒や教職員から事実関係を確認の上、組織的に対応方針を決定すること、また、各教職員は、その対応方針等に沿って、いじめに係る情報を適切に記録しておく必要があること、いじめの内容が犯罪行為として取り扱われるべきものであると認められる場合には、所轄の警察署と連携するなどして対応すること等について定めている。

 

また、特にいじめにより、生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあるような重大事態を認知した場合については、速やかに学校の設置者又は学校の下に調査を行うための組織を設け、事実関係を明確にするための調査を行うこと、重大事態が発生した場合に、市町教育委員会を通じて、当該地方公共団体の長に報告する必要があることも県の基本方針に定めている。

 

さらにこの基本方針の中に、県教育委員会は、市町教育委員会等と連携を図りながら、市町教育委員会に対して、いじめ防止等に関する指導助言を行うことについても記載されていることを踏まえ、市町立の各学校で認知した事案については、市町教育委員会を通して、県教育委員会も報告を受けており、その中で、懸案事項がある場合は、市町教育委員会と連携のもと、被害児童生徒に寄り添った対応や組織的対応について指導・助言を行っている。

 

(再質問)

重大事態ではない場合に県教育委員会が児童生徒や保護者、また、各市町に寄り添った対応をしているのか伺う。

 

(義務教育課長)

重大事態案件については、各学校各市町教育委員会において重大事態とするか否かという判断を行うことになるが、重大事態と判断した場合は、県を通じて今現在文科省の方にも報告をしているところである。

 

重大事態以外の場合にも、各学校等から必要に応じて県へ相談が上がってきている。県教育委員会も相談内容に応じて必要な指導助言を行っている。

 

(再質問)

いじめ防止対策推進法が施行されて11年が経つが、なぜ法律ができた後も深刻ないじめ事案が後を絶たないのか。

 

総務省のいじめ防止対策の推進に関する調査の結果に基づく勧告、2018年のものでは、全国の重大事態66件の調査報告書の分析が出ている。

 

その背景として、複数の課題が挙げられている。まず、教職員がいじめの定義を、平成18年以前の継続的一方的申告という文言が入ったものと思い込んでおり、いじめと認識していなかった、この程度は悪ふざけやじゃれあいで問題ない、また、本人が大丈夫と言えば、いじめではないという認識といった、いじめの認知にかかる課題が挙げられている。

 

また、担任が生徒から相談があったにもかかわらず、いじめの問題として、学校内で情報の共有をしなかったという、学校内の情報共有に係る課題も挙げられている。

 

また、被害児童への聞き取りなどについて、学校として対応の仕方が共有されておらず、すべて担任任せであったという組織的対応の部分での課題、そして教育委員会が法の趣旨や内容を十分に理解しておらず、組長に対する重大報告の発生報告が遅れてしまったという、重大事態発生後の対応に係る課題、また、アンケートにいじめがあると回答があった際の具体的な対応の取り決めがなく、活用されなかったという、アンケートの活用に係る課題、  最後に、いじめに焦点を当てた教職員等の指導力向上のための研修が開催されていなかったといった、研修に係る課題などが指摘されている。

 

本県においても、県内の公立小学校で保護者がいじめ防止対策推進法に基づいて、重大事態として扱って欲しいと、学校に申し立てていたにもかかわらず、学校が市の教育委員会に報告したのは、保護者が申し立てをしてから6か月が経過した後だったという事案も聞いている。

 

また、児童のSOSを早期発見するために、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、外部関係機関との連携、そしてアウトリーチ機能の強化による、教育相談体制の充実を推進することも重要である。

 

大阪府の寝屋川市の取り組みにおいては、いじめゼロに向けた新アプローチとして、教育委員会とは別組織である監察課を設置し、監察課が認知した案件2021年度183件、2022年度、337件、2023年度431件の、いじめ、すべての事案について、1か月以内にいじめ行為を停止させて、いじめの終結を確認している状況である。

 

このような調査や、事例、取り組みの事例を見ると、いじめが疑われる場合の対応について、様々なアプローチがあり、いじめゼロを実現することも可能であることがわかるが、以上の上記の取り組みも含めて、今後どのように取り組みを充実させていくのか伺う。

 

(教育長)

学校現場においては、認知を積極的にという考え方がある。児童生徒の小さな変化に気付くよう、きめ細かな見守りを行い、教職員間での情報共有に努めている。

 

また、学期に1回程度、児童生徒を対象に「学校生活で困っていることはないか」といった生活アンケートを実施しており、その中でいじめにつながる芽はないか、早期発見しようと努めている。

 

また、県教育委員会では、今年度より4つの研究指定校において、「いじめ等のない安心して学べる学校づくり」、「心の小さなSOS早期発見・早期対応」、「児童生徒にとって魅力ある学校づくり」の3つの取組みを推進する「明日(あす)も行きたくなる学校づくりプロジェクト事業」を行っている。この事業を通して、いじめ等の未然防止に向けた取組みの実践研究を進めていくこととしている。

 

平成21年度より3年に一度のペースで「いじめゼロ子どもサミット」を開催し、いじめゼロへの機運の高まりを図っている。このサミットは、香川県が全国で初めて行った取組みで、これまでに5回開催し、次回は来年度の開催を予定している。

 

サミットの開催は3年ごとであるが、その間の2年間においては、「サミット実行委員養成セミナー」を行い、次回のサミットに向けた方向性や内容を検討する場としている。

 

今年度も約120名の小中学生の参加を得て、8月に実施した。今後、次年度サミットの具体的な内容の検討に入っていくが、ただ、「いじめはだめだ」という気持ちを共有するにとどまらず、自分を大切に、そして友だちを大切にという気持ちを出発点として、「いじめをなくしたい」という志を同じくする仲間とのきずなを深め、いじめ撲滅に向けた機運をさらに高める機会との充実から、いじめゼロに向けた取組みの充実を図っていく。

 

(再質問)

「いじめゼロ子どもサミット」で話し合われた内容について伺う。

 

(義務教育課長)

「いじめゼロ子どもサミット」は児童生徒が主体的にいじめゼロに向けて取り組みを進めているものである。被害者、加害者、傍観者等様々な立場に立ったロールプレイングゲームを通して感じたことを意見交換している。

 

また、アンケートや、認知件数の実態について感じたことを、主体的に子ども達が話し合っている。

 

(要望)

サミットの開催も重要であるし、やはり、教育現場で解決できるケース、先ほど重大事態は第三者委員会を設置することになるということだが、教育現場で解決できるケースが99%になるというデータも出ている。

 

いじめに関する連絡を受けた場合、調査の現状がどうなっているのか等当事者との情報共有が大切であり、当事者は、報告が有るか無いかだけで、放置されているかどうか感じ方が変わる。

 

当事者への報告のタイミングや情報共有を大切にしてほしい。

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