
(質問)
本県の運送業、とりわけ貨物運送を担うトラックドライバーの分野では、人手不足が慢性化している。
高齢化が進み、若年層の新規就労者も減少傾向にあるなか、事業継続や物流インフラの安定的な維持が大きな課題となっている。地域経済を支える根幹である物流を、持続可能な形で維持していくためには、従来の枠組みにとらわれない人材確保策を真剣に検討していく必要がある。
こうした中、2024年に国が特定技能制度の対象分野に「自動車運送業」を新たに追加したことで、一定の試験や条件を満たした外国人材が、トラックドライバーなどとして日本国内で働くことが可能となった。
特に貨物輸送の分野では、旅客運送に比べて高度な日本語能力を求められる場面が限られていて、基本的な交通ルールや業務指示の理解があれば、トラック専用のナビを使用しているので、比較的早期に実務に従事できる可能性があると指摘されている。
これまで外国人材の活用が進んでこなかった領域に、新たな選択肢が開かれた意義は大きい。
ただ、制度ができただけでは自動的に受け入れが進むわけではなく、制度の内容を知っている事業者が限られていたり、手続きや支援体制の不安から導入に踏み切れないケースも多いのが実情である。制度の存在は知っていても、実際にどのように外国人材を受け入れるのか、必要な準備は何かといった情報にアクセスできず、足踏みしている事業者も少なくない。
そこで、特定技能制度を含めた運送業における外国人材の受け入れについて、現時点でどのような認識や課題意識を持っているのか、また、制度活用に向けた情報提供や環境整備について、どのような取組が行われているのかについて伺う。
(西尾交流推進部長)
まず、現状であるが、県内のトラック運送事業者の人材確保の状況については、今年7月時点の県内の有効求人倍率は全業種の平均では1.49であるところ、「自動車運転従事者」は、それより大幅に高い2.67となっており、県内のトラック運送事業者の人材確保は非常に厳しい状況であると認識している。ご提案のあった外国人特定技能制度については、人手不足への対応の一つと考えている。
県においては、従来から公共輸送機関の輸送力の確保、輸送サービスの改善、安全運行の確保等を目的として、香川県トラック協会等に対して、「運輸事業振興助成交付金」による支援を行っている。香川県トラック協会においては、この交付金を活用して、人材確保への対応として、「大型免許などの取得費用への補助」や「人材確保に向けた個別相談の実施や広報活動」などの取り組みを行っている。
委員ご指摘の外国人特定技能制度への取り組みとしては、香川県トラック協会において、昨年5月に「外国人特定技能制度に関するオンライン説明会」を開催している。
また、事業者が特定技能外国人を受け入れする際の一つの要件として、職場環境改善などの取組みを評価する「働きやすい職場認証の取得」があり、取得促進を図るため香川県トラック協会に対して支援している。
(再質問)
特定技能外国人を受け入れするため、職場環境改善のための認証制度の後押しなどの取組みをしているとのことだが、また、他の先行事例も色々なところで、2024年以降出始めている。
宮城県の富田運輸では、タイ出身の特定技能ドライバー2名が就労し、輸送業務に従事している。
埼玉県の運送会社では、ベトナム人の特定技能人材が実際にトラックドライバーとして採用され、職場に定着しているという報道もある。
愛知県の岡崎通運では、モンゴル出身者が特定技能1号としてトラック業務に従事している事例もあり、いずれも企業レベルの取り組みではあるが、制度をうまく活用すれば外国人材が実際に地域物流の担い手となり得ることが示されている。
こうした取組みを後押しするには、民間任せではなく行政の伴走的な支援が重要である。特に中小の運送事業者にとっては、制度の理解や手続きの煩雑さ、受け入れ後の支援体制への不安がハードルになりやすく、県がサポートに入ることで導入が一気に進む可能性もある。
そこで、本県として、次のような取り組みを段階的に検討していく考えはないか。
制度に関心のある運送事業者を対象とした、先ほどオンライン説明会をしたとのことだが、そうした説明会や意見交換会をさらに開催することにより、理解の促進と不安の解消を図ること。
また、数社と連携し、外国人ドライバーの受け入れを試行的に実施するモデル事業の創設。さらに、運転免許の取得支援、日本語や安全教育の体制整備など、定着支援を含めた仕組みの構築について、県の取り組みを伺いたい。
外国人材の受け入れは、単なる労働力補填ではなく、地域の物流機能を支え、持続可能な社会を築くための一つの柱になる。改めて県としての所見を伺う。
(岡交通政策課長)
先ほど西尾部長から答弁申し上げたとおり、県においては、貨物運送業における職場環境改善や人材確保などについては、「運輸事業振興助成交付金」の活用などにより、香川県トラック協会と連携しながら取り組んでいる。
外国人材の受け入れ状況について、香川県トラック協会に確認したところ、外国人を含めた人材確保の必要性については業界全体として一定理解しているものの、外国人の在留期間が最長5年と短く、仕事を覚えて慣れてきた頃に帰国してしまうこと、入社後の言葉、文化、宗教等の面での配慮やフォローアップが必要となるが、各事業者において、そこに割ける人手がないなどの課題があり、今のところ外国人受け入れに関する事業者からの相談はトラック協会にはなく、受け入れはそれほど進んでいないのが現状ではないか、との見解をいただいたところである。
こうした課題や状況を踏まえ、今後とも、外国人ドライバーの受け入れについて、県としては、全国的な先進事例や国の動向を見極めながら、香川県トラック協会などと連携しながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えている。
(要望)
今、問い合わせていただき、「興味はあるが不安もある」というところで、そういった不安を取り除くため、日本語教育や、先ほどの友枝副委員長の議論でもあったが、文化を理解するための取組みを本県で積極的に実施することで、そういった漠然とした不安が取り除かれて、実際に受け入れの促進という流れにつながっていくと思うので、そういった制度の活用に向けた積極的な支援体制の構築と中小事業者への寄り添った対応に取り組んでいただきたい。
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