福祉・介護県議会質問 2026.07.26

224.令和8年6月県議会定例会 一般質問(7月9日 第2日)災害に備えた福祉的支援体制の実効性強化について

(質問)
近年、全国各地で大規模災害が相次ぐ中、災害から命を守るということは、発災直後の救助だけでは終わらないということが、改めて強く認識されている。
避難生活が長期化する中で、体調や持病の悪化、生活不活発病、感染症、精神的な負担などにより、せっかく助かった命が失われる、
いわゆる災害関連死をいかに防ぐかが、これからの防災・減災対策において極めて重要である。
 
とりわけ、高齢の方、障害のある方、医療的ケアを必要とする方、妊産婦、乳幼児、外国人住民など、災害時に特別な配慮を必要とする方々にとって、一般避難所での生活は大きな負担となる。
 
また、災害時に支援が必要な方は、必ずしも指定避難所に集まるとは限らない。
 
自宅にとどまる在宅避難車中泊親族宅や知人宅への避難など、避難の形は多様である。
そうした方々の存在を早期に把握できなければ、必要な支援を届けることができず、結果として孤立や体調悪化につながるおそれがある。
 
こうした中で重要な役割を担うのが、災害派遣福祉チーム、いわゆるDWATである。
本県においても、香川県災害福祉支援ネットワーク協議会のもと、DWATの体制強化が進められているが、重要なのは、発災時に、支援を必要とする方を早期に発見し、福祉避難所等につなぐなど、必要な福祉的支援を迅速に行うことである。
 
そのために不可欠なのが、避難行動要支援者名簿や個別避難計画を活用したDWATの活躍である。
 
市町が把握している要支援者の情報、ケアマネジャーや相談支援専門員、民生委員、福祉事業所、社会福祉協議会などが日頃から把握している地域の情報を、発災時にどのように共有し、DWATの活動や福祉避難所への移行判断につなげるのか。
実際の支援に結びつく、実効的な計画が必要である。
 
他府県の例を見ると、大阪府では、大阪DWATの初動チームについて、福祉の視点から被災地の情報を収集し、大阪DWAT本部へ共有する役割を位置付けている。
収集する情報の中には、ライフラインや交通状況、避難者の状況に加え、要配慮者、避難行動要支援者の情報も含まれており、発災初期から、支援を必要とする方の把握を重視した運用が整理されている。
 
また、高知県のDWAT活動マニュアルでは、派遣先に到着した際の情報収集項目として、要配慮者の情報、事前リストの有無などを確認することが明記されている。
さらに、初期活動として、スクリーニング、関係者からの情報収集、支援者名簿の作成、緊急入院や福祉施設への入所、福祉避難所等への移送が整理されており、情報の把握から支援先へのつなぎまでを一体的に考える仕組みとなっている。
 
こうした事例から見えてくるのは、名簿を作ること自体が目的ではなく、発災時に、誰が、どの情報を使い、誰の安否や状態を確認し、どこへつなぐのかを、平時から具体化しておくことの重要性である。
 
本県においても、南海トラフ地震をはじめとする大規模災害を想定すれば、一般避難所に避難している方だけでなく、在宅避難、車中泊、親族宅等で避難生活を送る要配慮者を早期に把握し、必要な支援につなぐ体制づくりが不可欠である。
 
そこで、災害関連死を防ぐため、香川県におけるDWATの現状、及び、市町が把握する避難行動要支援者名簿や個別避難計画の情報を、発災時にDWAT、社会福祉協議会、ケアマネジャー、相談支援専門員、民生委員、福祉事業所等とどのように共有し、必要な福祉的支援や福祉避難所等への移行につなげていくのか、本県の災害福祉支援体制の実効性をどのように高めていくのか、お伺いする。
 
(知事答弁)
本県については、能登半島地震前の令和4年度末には介護福祉士や社会福祉士など68名の登録であったものが、社会福祉施設等の協力もあって、昨年度末現在、77名増の、145名の登録となっており、着実に人材確保が図られているところである。
 
また、能登半島地震の際には、15名を派遣し、被災地において、高齢者や障害者などの要配慮者に対し、心身のケアや生活支援等の福祉的活動を行ったところである。
 
派遣後には、派遣したメンバーからの報告会を開催し、県内において災害が発生することも想定のうえ、人材の養成や装備の充実など、今後の活動に対する検証を行ったほか、毎年度実施している訓練や研修の機会を通じて、派遣で得た知見や経験を共有するなど、の実践的なスキルの向上に努めている。
 
災害時のなどへの避難行動要支援者名簿等の情報の共有については、避難所等における、要支援者の迅速な把握や円滑な福祉的な支援の実施などの活動に効果的であると考えている。
 
現在、自ら避難することが困難な避難行動要支援者の名簿については、すべての市町で作成しており、また、努力義務とされる個別避難計画の作成については、全国の中でも高い水準で進んでいる。
 
これらの名簿等の情報は、災害時には、避難支援等の実施に必要な限度で、や民生委員など避難を支援する立場の方に対して提供することができるとされている。
 
県としては、などの円滑な活動のため、災害時には、避難行動要支援者名簿を避難支援関係者に提供できることを、改めて、市町に確認するとともに、平時においても、こうした情報を災害時に活用することを想定した関係機関との連携訓練を行うなど、本県における災害福祉支援体制の実効性の確保に努めていく。
 
 
 
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