(質問)
近年、道路インフラの老朽化が全国的な課題となる中、本県においても、安全で安心な道路環境を維持していくためには、日常的な点検や維持管理の重要性がますます高まっている。
一方で、道路の新設等により、点検すべき対象は年々増加しており、限られた人員で、すべての道路を確実に管理していくことは容易ではない。
だからこそ、従来の方法だけでなく、AIなどの新しい技術を積極的に活用し、道路点検の高度化・効率化を図ることが重要であると考えている。
そのような考えから、私は令和6年11月定例県議会の一般質問において、AIを活用した道路点検の必要性について質問し、
「新たな技術を積極的に取り入れながら、効率的な点検に努めていく」との答弁をいただいた。
従来は専門業者による専用車両での調査や、職員による目視点検が中心であったが、近年では、道路を走行しながら撮影した映像をAIが解析し、路面のひび割れやわだち掘れ、ポットホールなどを自動で抽出する技術が急速に進歩している。
AIを活用することで、より広い範囲を効率的に調査できるだけでなく、点検結果のばらつきの抑制や、見落とし防止なども期待されている。
また、こうした技術は、単に調査の効率化にとどまらず、点検データを継続的に蓄積することで、損傷の進行状況を比較・分析し、補修時期の判断や維持管理計画の高度化にもつながる可能性がある。
これまで、経験や目視に頼る部分が大きかった道路管理が、データに基づく維持管理へと進化していくことも期待されるところである。
さらに、道路パトロールで撮影される映像には、路面だけではなく、道路空間全体の様々な情報が記録されている。
現在は路面の損傷を中心に活用されている技術であっても、AIの進歩によっては、将来的にはガードレールや側溝、標識、カーブミラーなど道路附属物の異常についても解析対象となる可能性がある。
もちろん、現時点ですべての異常をAIで判定できるわけではなく、人による確認が不可欠な部分も多く残されている。
しかし、今後AI技術がさらに進歩していくことを考えれば、日常の道路パトロールで得られる映像データを有効に活用することで、路面状況はもちろん、道路周辺環境一帯の維持管理の高度化につながる余地は大きいと考えている。
そこで、AIを活用した道路点検について、現在どのような取組を進め、その効果をどのように評価しているのだろうか。
また、道路パトロールで得られる映像データとAI技術を用いた、道路周辺環境一帯の維持管理のさらなる高度化・効率化に関して、引き続き進めていくべきだと思うが、どのようにお考えか、知事にお伺いする。
(知事答弁)
道路施設の老朽化が進む中、限られた人員や予算のもと、効率的かつ効果的に維持管理を進めていくことが課題となっており、本県では、AIなどの新技術を活用し、点検・診断の省力化や効率化に取り組んでいる。
このうち、舗装については、損傷状況を把握するための路面性状調査において、令和5年度から、点検車両に搭載したスマートフォンのカメラで路面を撮影し、AIにより劣化・損傷度合を診断する方法を試行してきた。
その結果、従前の路面性状測定車を用いた技術に比べ、速やかに損傷状況を把握できるようになったことから、早期に劣化箇所の修繕を行うことが可能となっている。
さらに、年々、技術の向上とともに、新たな手法も実用化されてきたことから、今年度は、本格的に、ドライブレコーダーで撮影した路面画像をAIで解析する方法により、すべての県管理道路約1,700キロメートルの調査を行うこととしている。
あわせて、区画線の劣化状況等についても道路パトロール時の撮影画像を活用し、AIで診断することとしており、維持管理の一層の効率化につなげていきたいと考えている。
さらに、今後は、国や他県の事例等を調査し、AIを活用した標識やガードレールなどの点検についても、積極的に検討するとともに、蓄積されるデータを活用し、より効果的な修繕計画の策定や、施設の長寿命化につながる予防保全への早期転換など、維持管理の高度化につなげてまいりたいと考えている。

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