
(質問)
本県はこれまで、観光情報サイトではGoogleマップを組み込み、利用者が目的地をスムーズに検索できるようにされており、空港振興課ではインバウンドを対象に、飲食店や観光事業者向けの講習会を開き、Googleマップで高評価を獲得できるよう支援し、観光分野においてデジタル活用を進めてきた。
こうした取組みは、事業者にとって学びの機会となり、旅行者の利便性向上にもつながるものであり、大変意義深いものと考える。
一方で、観光を取り巻く環境は急速に変化しており、特に若年層を中心に、旅行先を決める際にはGoogleマップの星評価や口コミ、さらにはSNSの発信内容を重視する傾向が顕著になっている。
ある調査では、旅行者の六割以上が旅行先選びにオンライン評価を活用しているとされ、こうした評価は宿泊や飲食の選択にとどまらず、地域全体のイメージ形成に直結している。
観光消費額の増加や滞在日数の延長を目指す上で、MEO対策や口コミ対応を体系的に支援していくことは、避けて通れない課題と考える。
そこで、本県がこれまで進めてきた取組みをどのように評価し、今後どのように発展させていこうとしているのか、また、MEO対策や口コミ支援を香川県全体の観光戦略の中でどのように位置づけていくお考えか、まずは現状の認識を伺う。
(西尾交流推進部長)
観光庁が行った調査などによると、旅行者は事前にオンライン検索や口コミを利用して旅行先の情報収集を行っている実態が示されており、Googleマップ等の位置情報サービスやレビューサイトが、旅行者の意思決定に極めて大きな影響を及ぼしていると認識している。
御指摘の MEO対策は、例えば、Googleマップ等の地図検索で観光施設や飲食店を検索した際に、上位に表示させるためのマーケティング施策の一つであり、写真の充実や口コミに丁寧に対応することによって、検索結果で目に留まりやすくするものである。
旅行形態の多様化に伴い、旅行者に選ばれるためのIT等を活用したマーケティングの視点が事業者に不可欠となっている。具体的には、ターゲットとなる顧客層を意識した情報発信や、口コミを活かしたブランディングといった、戦略的な取組みが事業者に求められるなど、これまでにも増して、マーケティング知識やデジタル活用力の強化が大きな課題となっている。
こうしたことを踏まえ、県では、令和5年度に、世界でも多く利用されているGoogleマップを活用し、施設の正確な情報の発信することなどを内容とする研修を、観光事業者の方などを対象に実施したところである。当該研修は、インバウンド対応力の向上に向けた研修として行ったものであるが、大変好評であったことから、今年度も内容を充実させて実施することを検討している。
このように、それぞれの事業者がマーケティングの観点を持ち、自らデジタル時代に即した情報発信を実践できるよう支援することは、県の観光振興を図る上で、重要な役割であると考えており、今後もこうした取組みを推進してまいりたい。
(再質問)
全国的に見ると、すでにいくつかの県ではMEO対策や口コミ支援を観光政策に積極的に取り入れている。
例えば青森県では「広告費がかからない無料のツールを活用したい。」との声に応える形で、Googleマップやビジネスプロフィールの登録・最適化を伴走型で支援し、登録率の向上や口コミ対応力の底上げに成功している。
福島県では観光交流課主催で「Googleマップ/GBP活用セミナー」を開き、無料診断や改善策の提示まで踏み込んだ実装支援を行った。
さらに富山県ではGoogle社と直接連携してセミナーを開催し、県とプラットフォーマーが協働して誘客力の強化を図っている。
いずれも行政がリーダーシップを発揮し、事業者のデジタル発信力を底上げしている好事例と言える。
こうした先行事例を参考に、本県でもモデル的な取組みを進めることが有効と考える。例えば、インバウンド客が多く訪れる高松市中心部、小豆島などの島しょ部をモデルエリアに指定し、Googleマップ上の情報充実や口コミ対応に関する研修を集中的に実施し、その成果を検証した上で、徐々に他地域へと横展開するように段階的に取り組むことで、効果を見極めながら県全体の観光DXを着実に前進させることができる。
県としてこうしたモデル事業を実施することも含め、観光事業者へのMEO対策や口コミ支援に本格的に乗り出すお考えがあるのか、改めてご所見を伺う。
(佐々木観光振興課長)
青森県や福島県の取組み事例は、御指摘のとおり事業者のデジタル発信力を底上げしている好事例であると認識している。
国においても、令和4年度から実施している「全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業」を通じ、デジタルマーケティング支援や情報発信力の強化を全国的に後押ししており、県内でも、今年度、琴平町観光協会が「観光DX推進事業」の採択を受けており、町内事業者で実行委員会を組織し開催している琴平山博覧会でデジタルチケットを導入されていると伺っている。
御提案のあった、他県の先行事例を参考に、県でモデル的な取組みを実施することについては、今のところ実施の予定はないが、今後、事業者や地域の観光関係団体等から具体的な相談があれば、国の「観光DX推進事業」の活用も踏まえ、適切に対応してまいりたい。
今後も、事業者の声を丁寧に伺いながら、県全体の観光DXを着実に進め、持続可能な誘客につなげてまいりたい。
(要望)
県が今後、他県の事例のように、リーダーシップを発揮することで、事業者のデジタル発信力が確実に底上げされて、地域全体の魅力が一層高まり、観光消費額の増加や滞在日数の延長、県全体の観光競争力の強化に繋げていただきたい。
カテゴリー 一覧