県議会質問 2026.04.26

203. 経済委員会質疑応答状況 地域発オープンファクトリー『CRASSO』を活かした中小企業支援について 議事録 令和7年12月3日開催分

小泉委員

  (質問)
 香川県内の中小製造業において少子高齢化や若年層の県外流出の影響により、人材確保や後継者育成が喫緊の課題となる中、地域の企業が連携し、ものづくりの現場を開放するオープンファクトリー型イベント「CRASSO」が開催されている。 この取組みは2023年から、高松市、さぬき市、三木町、東かがわ市で複数回開催され、小豆島でも1度開催された実績がある。参加企業数は回を追うごとに増加し、直近では35社が参加し来場者数は延べ5,000人を超えている。参加企業の工場や職人の現場を公開し、見学やものづくり体験を通じてその魅力を伝えるもので、産業・観光・教育の要素が融合した新たな地域発の取組みとして注目されている。 参加企業は、自社の技術や働く環境を地域住民や学生、観光客に直接知ってもらえる絶好の機会で、今後の人材確保・採用促進に資するものと評価されているほか、社員が来場者に自社の仕事内容や魅力を伝えることで、自分たちの仕事に改めて誇りを持ち、離職防止にもつながったとの声もある。さらに、企業同士の交流を通じて、新たな連携や商品開発のきっかけが生まれるなど、地域経済全体への波及効果も出始めている。 「CRASSO」のようなオープンファクトリーは、地元の産業の魅力を再発見する契機となり、特に若い世代には「香川で働くことの面白さ」や「地域企業で働く意義」に気づくきっかけにもなっており、Uターン・地元就職につながれば県内産業の持続性確保にも寄与すると思う。 県内で広がりを見せる「CRASSO」について、県としてどのようにその取組みを評価し、また中小企業の人材確保や産業振興、地域活性化という観点から、どのような効果を持つと捉えているのか見解を伺う。      (再質問) 様々な波及効果があるとの評価をいただいたが、このような価値ある取組みでも、周知や集客面で課題があり、実際に一部の参加企業では認知不足から十分な集客が得られなかったケースもあり、広報・PRの支援体制が求められている。行政による広報・情報発信の支援は、取組みの意義や波及効果を更に促進するためにも重要である。 オープンファクトリー型イベントの例として、新潟県の「燕三条 工場の祭典」が参考になる。自治体が共催者として参画し、公式ホームページや観光協会を通じた広報支援が行われており、実行委員会がSNS等による積極的な情報発信を行った結果、来場者は年に6万人を超える規模へと成長している。 また、四国経済産業局の公表資料では、「地域一体型オープンファクトリーは、地域にとっては自らのまちの魅力を再認識する機会となり、企業にはイノベーション創出につながっている」とし、「地域内外から多くの集客を獲得するなど、地域の新たな魅力発信の手段としても注目されている」と明記している。同資料では四国4県の先進事例が紹介されている。こうした取組みは、地域ならではの技術や文化、ストーリーを体験とともに伝えることで外部からの関心や信頼を生み出し、地域ブランドの強化につながると考える。 県として、今後このようなオープンファクトリーの取組みに対して、広報や情報発信の側面でどのように関与し、支援していくのか見解を伺う。   (要望) 関係団体への周知や後援をしているとのことだが、今後、さらに「香川県中小企業家同友会」と意見交換し、さらなる情報発信に努めるようお願いしたい。 このオープンファクトリーの取組みは、単なるイベントや情報発信にとどまらず、地域の社会経済に多面的な好循環をもたらす可能性を秘めており、地域で培われてきた技術や文化を可視化することで企業や産地の魅力を再発見、再評価する機会となり、地域ブランドの構築や発信力の強化に繋がる。 また、地域の仕事を学生にリアルに伝える教育・人材育成のツールとしても活用できる。さらに観光面でも単なるモノ消費ではなく体験型・共感型の価値提供を通じて地域への関心を高める仕掛けとして注目され、他地域との差別化にも寄与するものと考える。 オープンファクトリーは、こうした様々な効果が見込め、県全体の地域力強化にも繋がると思うので、全県的な視点での積極的な後押しをお願いしたい。

 
 
 
(寺嶋商工労働部長)
 オープンファクトリーは、ものづくり企業が来場者に普段見られない生産現場を公開したり、ものづくりの体験をしてもらう取組みで、従来からある単一企業の工場見学ではなく、地域内のものづくり企業等が面として集まり、一体的に見せていく「地域一体型オープンファクトリー」として、10年ほど前から国内の色々なところで広がりをみせている。県内の「CRASSO」の取組みは、コロナ禍で影響を受けた東讃地域の企業有志が苦境を打開するために始めたもので、2023年のプレ開催から県職員も参加し、手袋や刺繍などの工場で直接職人から説明を受け、ワークショップにも参加するなど、貴重な体験をしており、私も昨年度から「CRASSO」に参加し、非常に素晴らしい取組みだと実感している。
 委員ご指摘のとおり、地域発オープンファクトリーのイベントは、参加者にとって、ものづくりの奥深さに触れる絶好の機会となり、職人が丁寧に作る製品や細やかな作業を目にすることで興味や愛着も増し、ワークショップなどに参加すればその効果も倍増すると思う。
 企業側にとっても、自社の製品や技術をアピールできる絶好の機会となり、参加者の驚きや感慨は社員のモチベーションの向上につながるほか、社員に更なる技術の高度化を促す効果も期待でき、参加者側と受け入れる企業側の双方にとって、非常に有意義な取組みだと思っている。
 効果については、まず人材確保の面では、B to Bの取引が多い中小企業を中心に人材確保が非常に困難な状況が続く中、学生時代にオープンファクトリーに参加し、地元に魅力ある企業があることを知ってもらうことで、就職先を考える時の候補先になることもある。また、若者が就職先を検討する際に保護者の意見を参考にすると思うが、子どもにアドバイスするような立場の方々も参加し、地域産業を支える企業の魅力等を知ってもらうことで、地域の人材確保につながると考えている。
 産業振興の面では、B to Bの取引が多い製造業などでは、一般消費者から直接、製品に対する意見や感想を聞く機会が少ないため、オープンファクトリーは消費者ニーズの把握やマッチングの機会になると考えている。参加者とやり取りする中で、企業に新製品の開発につながるアイデアが生まれたり、来場者が新たな顧客となることがあるほか、参加企業間で新たな取引、連携が生まれるといった効果も期待できると聞いている。実際に企業の見学会が契機となって新たなビジネスにつながったという話もあり、産業振興の効果は高いと考えている。また、我々行政の職員も現場を直接、見聞きする良い機会となるので、中小企業の支援策や産業振興の施策を考えていくうえでヒントを得るきっかけになると思っている。
 地域活性化の面においても、一般来場者による飲食や地元での宿泊、公共交通機関の利用などによる経済波及効果が期待されるほか、その地域の魅力に触れることによる観光面での効果が生じるなど、オープンファクトリーにとどまらない地域全体の活性化につながると考えている。 
 経済産業省のホームページによると、全国で60か所近い開催事例が紹介されており、県としても県内で定着した「CRASSO」がさらに活性化するよう頑張ってまいりたい。
 
(寺嶋商工労働部長)
県内で定着し始めたオープンファクトリー「CRASSO」については、「香川県中小企業家同友会」の構成員が中心となり組織する「CRASSO実行委員会」からの要請も受け、県として後援を行っている。加えて「CRASSO」は様々な面で効果が期待できることから、経済団体や関係機関などに対し、県からも幅広く情報発信し、周知依頼を行っている。
 また、四国経済産業局でも周知を行っており、今年の関西・大阪万博では四国のオープンファクトリーの取組みを紹介するイベント等も開催したと聞いている。
 県でも周知、啓発は大事であると考えており、「CRASSO」をはじめ、高校生への体験型インターンシップなど、様々な独自性のある活動を行う「香川県中小企業家同友会」とは毎年定期的に意見交換を行っている。そうした中で、中小企業側の要望もお聞きしながら、これまで以上の効果的な周知や広報、情報発信に努めてまいりたい。県としては、引き続き、国や市町、経済団体などと緊密に連携しながら、地域のものづくり現場を元気にするオープンファクトリー「CRASSO」の取組みについて、広報や情報発信の面でもさらに盛り上げていきたい。

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